研究実績の概要 |
1)多様な通信路品質に対処した伝送手法:本年度は世界に先駆けて3Dポイントクラウドを対象とするニアアナログ変調を利用した無線伝送手法を提案した.具体的には,グラフフーリエ変換を用いることで3次元空間に非均一サンプリングされた点群情報を周波数成分に変換したあと,ニアアナログ変調から周波数成分をそのまま送信信号として送信する.また、ニアアナログ変調を用いた無線伝送において生じるオーバヘッドを削減するために,Deep Neural Networksを活用したオーバヘッド削減手法を設計した。これらの研究成果は国際会議IEEE International Conference on Communications (ICC) 2019, IEEE GLOBECOM 2019にて発表済である. 2)多様な無線媒体に対処した伝送手法:本研究では,携帯端末に対して映像情報を伝送するとき,利用可能な複数の無線伝送路間で映像情報をオフローディングすることでネットワーク容量の不足に起因する映像品質低下を抑制した伝送手法を提案した.本手法ではデコード時に圧縮センシングを利用して映像情報を復元することでさらなる高映像品質を達成している.これらの研究成果はIEEE ICC 2019で発表済みである. 3)多様な多次元映像に対処した伝送手法:本研究では,VR利用を対象としてユーザがヘッドマウントディスプレイを介して視聴している領域および2次元平面へのプロジェクション方法に応じて360度映像伝送時に使用する送信電力を適応的に決定する無線360度映像伝送手法を設計した.ユーザの視聴傾向を元にして優先的な電力割当を実施するため,映像全体を送信する手法と比較して高映像品質を達成することを明らかにした.これらの研究成果は,IEEE ICC2020 にて発表予定である.
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