研究課題/領域番号 |
17K12675
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研究機関 | 首都大学東京 |
研究代表者 |
酒井 和哉 首都大学東京, システムデザイン研究科, 准教授 (80730746)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 遅延耐性ネットワーク / クラウドソーシング / 災害復旧 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、マルチホップ遅延耐性ネットワークにおいて、クラウドソース化された救援・復旧タスクを効率的にモバイルユーザに割り当てる分散型タスクルーティングを設計し、災害復旧クラウドソーシングの基盤技術を開発することである。平成30年度は、モバイルユーザが接触すぐ毎に動的にタスク割当ての判断を行うといった動的なタスク割当てを考慮した手法を導入した。動的アルゴリズムは、前年度に提案した手法に比べて、性能指標であるメイクスパンを向上させることができる。性能評価は、シミュレーションによって提案手法の有効性を示した。モビリティトレースとしては、ダートマス大学が中心となって運営しているCRAWDADプロジェクトで公開されているモバイル端末の実レースを用いた。研究成果は国内研究会で発表するとともに、IEEEコミュニケーションソサエティのフラグシップカンファレンスであるINFOCOMやIEEEコンピュータソサエティ主催の国際会議であるIPCCCに採択された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度は、前年度に提案したグリーディ法を応用した遅延耐性ネットワークを介した災害復旧タスク割当てアルゴリズムを動的アルゴリズムとして設計し直して、性能を向上させた。モビリティトレースを用いたシミュレーションによって提案法の有効性を示した。またモビリティとレースとしては、ダートマス大学が中心となって運営しているCRAWDADプロジェクトで公開されているモバイル端末の実レースを用いた。また提案手法をAndroidへ実装するための環境を整え、プロトタイプの実装に取り掛かっている。
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今後の研究の推進方策 |
平成31度は、以下の要領で課題に取り組む。本研究課題が提案したタスク割当アルゴリズムは、各端末のモビリティを解析して効率的なタスクの割当を目的としたものであった。しかしタスクを処理するワーカの専門性は考慮されていない。そこで最終年度では、災害復旧作業におけるモバイルクラウドソーシングモデルの拡張を検討する。品質を考慮したオンラインタスク割当問題を定式化し、パフォーマンスとタスク品質の双方のバランスを取ることができるアルゴリズムを考案する。 同時にモバイル端末を用いて本年度に提案したタスク割当てアルゴリズムの実装を行う。
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