令和元年度の課題として,(d)異種ノード間の協調のためのタスク分割アルゴリズムの設計・実装,(e1)これまでの成果を統合したシステムの作成,(e2)テストベッドを作成・統合的な評価実験を実施した. (d)に関して,まず同種ノード間のタスク分割による協調に関するアルゴリズムの実装・実験を行った.具体的には,経路とタスク位置が与えられている状態から,作業開始からすべてのノードがベースステーションへ帰還するまでの時間が最短となるように,それぞれのノードへタスク位置からタスク位置までの部分経路を割り当て・入れ替えを行うグリーディなアルゴリズムを用いて,タスクを複数のノードへと割り振る手法を設計・実装した.現在,この成果をもとに,タスクごとに時間コストの異なる場合への対応と異種ノード間のタスク分割による協調アルゴリズムを設計中である. (e1)(e2)に関して,実装段階で発生した問題の解決に取り組んだ.具体的には,実験ノードに実装したSLAM(環境地図生成アルゴリズムおよび自己位置推定手法)に補正アルゴリズムを導入することによる精度向上,環境地図を頂点集合から線分集合へ変換するアルゴリズムを,不必要な頂点を徐々に削除していく手法からハフ変換を用いた直線検出を行う手法への見直し,経路探索アルゴリズムの高速化,および,異種ノードにおける様々なハードウェア構成への対応である.これらの成果として,一部の機能の実地実験を実施可能となったがテストベッドの完成には至っておらず,現在,引き続き作業中である.
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