本研究課題は、ソーシャルネットワークサービス(SNS)とWebの異なるメディアを融合し、それらから時空間情報を抽出しマッピングすることで、双方の欠点を補う信頼性・速報性・網羅性の高い集約情報の抽出・共有支援システムを構築し、相互活用システムの利便性を飛躍的に向上させることを目的としている。 初年度である2017年度は、[A] SNSデータの時空間統合分析手法の開発と評価に取り組んだ。 2018年度は、2017年度により開発された基礎技術の応用として、[B] 異種メディア間のシームレスなマッピング手法の開発のため、B-1) 異種データ間の時空間的な関連性抽出手法の開発と評価に取り組んだ。その結果、時空間的変化を直感的に理解するための可視化(写真やタグクラウド等を利用)、関連施設(観光スポットや店舗、駅等)の推薦を行った。 2019年度は、B-2) 異種メディア協調型情報共有支援システムの構築に取り組んだ。そのために、SNSデータで使われている言語に着目し、その方言の発言時刻と発信場所を観測しマッピングすることで、時間帯ごとにその方言がよく使われている地域を発見した。 2020年度は、2019年度に引き続き、言語と時空間情報に基づく異なる地域同士の関連性発見および方言分布の可視化による情報共有支援システムの開発と評価を行った。 2021年度は、これらの研究成果に加え、データ収集の範囲をヨーロッパに拡張し、異なる国や地域同士の関連性発見による異文化間での情報推薦・共有支援を実現して、評価実験を行った。
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