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2018 年度 実施状況報告書

悪条件連立一次方程式対する高精度な精度保証付き数値計算技術の開発

研究課題

研究課題/領域番号 17K12692
研究機関中央大学

研究代表者

南畑 淳史  中央大学, 理工学部, 助教 (70754787)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード悪条件問題 / 精度保証付き数値計算 / 連立一次方程式 / 誤差評価
研究実績の概要

今年度は本研究の目的の一つであった反復型の誤差評価式を提案した.昨年度に開発した誤差評価式を基礎として,反復改良が出来る誤差評価式を提案し,国際学会で発表を行い,post-conference proceedingに投稿した.提案手法は様々な特異値分布を持つHighamのテスト行列の5種およびRumpの悪条件なテスト行列において従来の誤差評価式と同等か精度の良い誤差評価式となっている.特に1つの小さな特異値を持つ行列や算術的に分布する特異値を持つ行列において提案手法は精度の良い誤差評価式となっていた.また,この結果は精度保証付き数値計算ライブラリのINTLAB Version 11における精度保証付き連立一次方程式ソルバーに実装され,組み込まれた.これにより多数のユーザに研究結果を還元できていると考える.

また,連立一次方程式の誤差評価に関連してNull spaceを用いた鞍点型の係数行列を持つ連立一次方程式の誤差評価法の共同研究を行い,国際会議で発表を行った.提案手法はNull spaceを用いることで行列の(1,1)ブロックが半正定値行列でも扱えるだけでなく,より小さな行列として解くことが出来るため高速である.また,その過程でNull spaceの精度保証付き数値計算が必要となり,3種類のNull spaceの精度保証付き数値計算法を開発した.直交性が保たれている方法や直交性は持たないが高速性を重視した方法を開発し,用途に応じて方法を選択できる.この結果は査読付きの国際論文誌に投稿した.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

計画とは多少異なっているが,関連分野への波及効果があり様々な結果が得られた.

今後の研究の推進方策

今後は得られた成果を論文として執筆し,順次投稿する.また,開発した誤差評価式を様々なソフトウェア上に実装し,より多くのユーザに使用してもらえるように努める.

次年度使用額が生じた理由

今年度は日本で国際会議があり、場所が関東であったために想定よりも旅費を必要とせず旅費が余っている.また,本課題に関係した研究結果が得られているため,課題の延長申請を行い,その研究発表のために使用をする.また残りは投稿している論文に関する費用とする予定である.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2018 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 2件)

  • [国際共同研究] Hamburg University of Technology(ドイツ)

    • 国名
      ドイツ
    • 外国機関名
      Hamburg University of Technology
  • [学会発表] Two verification methods for linear systems using H-matrix2018

    • 著者名/発表者名
      A. Minamihata, T. Ogita, S. M. Rump and S. Oishi
    • 学会等名
      The 18th International Symposium on Scientific Computing, Computer Arithmetic, and Verified Numerical Computations
    • 国際学会
  • [学会発表] Verification method for solution of symmetric saddle point linear system with null space method2018

    • 著者名/発表者名
      Ryo Kobayashi, Atsushi Minamihata and Shin’ichi Oishi
    • 学会等名
      The 18th International Symposium on Scientific Computing, Computer Arithmetic, and Verified Numerical Computations
    • 国際学会

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公開日: 2019-12-27  

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