研究課題
今年度は成果の公開を目的に課題期間の延長申請を行い、成果の公開に努めた。2017年度から2018年度にかけて、本研究の目的である悪条件連立一次方程式に対する高精度な精度保証付き数値計算法を提案した。提案手法は反復型の誤差評価式になっている。様々な特異値分布を持つHighamのテスト行列の5種およびRumpの悪条件なテスト行列において従来の誤差評価式と同等かそれよりも精度の良い誤差評価式となっている。また、問題の行列サイズが大きくなればなるほど従来の誤差評価式よりも精度の良い誤差評価式となることから、従来の誤差評価式よりも大規模な連立一次方程式にも適していると言える。提案した誤差評価式は精度保証付き数値計算法のソフトウェアであるINTLABに採用され、世界中で使用されている。また、この成果はJournal of Computational and Applied Mathematicsに掲載された。2018年度は本提案手法を応用した研究も行った。Null spaceの基底を精度保証付きで計算する方法を共同研究し,3種類のNull spaceの基底の精度保証付き数値計算法を提案した。この中の1つの方法として、連立一次方程式としてNull spaceの基底を計算する方法を提案し、本研究の悪条件連立一次方程式に対する高精度な精度保証付き数値計算法が役立っている。この結果を2019年度に国際学会で発表し、査読付きの国際論文誌に投稿した.また、Null spaceの基底を精度保証付き数値計算法に関連し、鞍点型の係数行列を持つ連立一次方程式の誤差評価法を提案し、国際会議で発表した。今後、悪条件な鞍点型の係数行列を持つ連立一次方程式に対して、どのように有効か、などを調査する。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)
Journal of Computational and Applied Mathematics
巻: 369 ページ: 112546~112546
10.1016/j.cam.2019.112546