研究課題
本年度は予定通り(1)実装効率のよい内部関数の候補の開発と(2)実際の軽量ストリーム暗号の開発を行った.(1)に関しては,効率の良い内部関数の安全性を評価する技術として,符号理論をベースにした高速相関攻撃の改良と代数構造を用いた評価方法の改良を行い,より厳密な安全性を評価する手法を開発した.これらの2つの研究成果は暗号系のトップカンファレンスCRYPTO 2018に採録されるなど学術レベルで高い評価を得た.また,ハードウェアで効率的な線形関数を見つけることにも成功し,共通鍵暗号のトップジャーナル ToSC 2019にも採録された.そのほかにも,ストリームRC4の構造の理論的解析と,Kreyviumに対する解析結果もそれぞれIEICE journalに採録され,代数構造を用いた評価方法もIEEE compute, MILPを用いた評価方法も国際会議CANSに採録されるなど,ストリーム暗号の安全性と効率的な構成方法に対して多くの研究成果を残すことができた.(2)に関しては,(1)の結果を用いて,2つの実際のストリーム暗号の開発を行った.1つめはストリーム暗号LILLEで,Even-Mansour構造をベースにした構成方法であり,軽量用途の性能が優れており,IEICEのjournalにて発表を行った.2つ目は,低消費電力用途を目的としたもので,既存構成と比べて約1/10の低消費電力化に成功した.その結果は,ToSC2019に採録され,高い評価をえた.この技術を基にした認証暗号とハッシュ関数を次世代の標準軽量暗号を選定することを目的としたNISTの軽量暗号プロジェクトに提案した.
すべて 2018 その他
すべて 国際共同研究 (3件) 雑誌論文 (9件) (うち国際共著 1件、 査読あり 9件、 オープンアクセス 6件)
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