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2019 年度 実施状況報告書

注意によるα波制御機構の経頭蓋電気刺激を用いた操作的検証

研究課題

研究課題/領域番号 17K12705
研究機関生理学研究所

研究代表者

岡崎 由香  生理学研究所, システム脳科学研究領域, 助教 (10718547)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2021-03-31
キーワードtDCS-EEG
研究実績の概要

本研究の目的は注意の移動に伴って視覚野で変調されるαパワーの強度や持続時間を注意制御ネットワークの一部である前頭眼野の活動を電気刺激によって人為的に操作することである。当該年度は被験者の行動及びα波の注意による変調が、電気刺激によってどのように変調されるのかを検証した。

標的刺激の呈示位置を示す手がかり刺激の妥当性の確率を50%とした場合でも(つまり手がかりに意味はない)被験者の注意は受動的に手がかり方向に向いてしまう。しかし手がかりと標的刺激の間隔(stimulus onset asynchrony: SOA)が長い場合、注意はそれまで向いていた方向とは逆方向に向いてしまうことが知られている。実験ではSOAを1秒または2.2秒とし、電気刺激中の脳波を計測した。疑似電気刺激条件下での行動結果においても上述の知見が再現された。具体的にはSOAが1秒の場合、手がかり刺激と一致する方向の標的刺激への課題成績は上昇するが、SOAが2.2秒の場合、一致しない方向の標的刺激への成績が上昇した。一方、電気刺激を与えた場合はこの効果がなくなった。これらの結果は、1秒以上注意は手がかり刺激方向に持続していないが、電気刺激を与えることによって持続させられたことを意味してる。また、刺激と同時に計測した波パワーの変調においても、刺激条件では変調時間が持続していた。さらに、変調の開始時間も早かった。このことから電気刺激によって注意を移動させる時間が早められ、さらに持続させることが出来るのではないかと考えられる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

行動実験の精度を高めるために、様々な条件とデザインで実験を行い時間を要した。また、所属変更により実験実施場所が遠方となり、本年度は実験を集中的に行うことができなかったため。

今後の研究の推進方策

被験者増やし解析を進める。また前頭眼野と他の領野の結合強度の変化に関し、領野間の脳波がどれほど相互に関連しているかを同期度合や移動情報量などを解析することで調べる。

次年度使用額が生じた理由

(理由)
研究補助員の応募がなく、使用額が少なくなった。
(使用計画)
研究補助員の雇用に使用する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2020 2019

すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件)

  • [雑誌論文] Probing dynamical cortical gating of attention with concurrent TMS-EEG2020

    • 著者名/発表者名
      Okazaki Yuka O.、Mizuno Yuji、Kitajo Keiichi
    • 雑誌名

      Scientific Reports

      巻: 10 ページ: 1-10

    • DOI

      10.1038/s41598-020-61590-2

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Motion sickness-susceptible participants exposed to coherent rotating dot patterns show excessive N2 amplitudes and impaired theta-band phase synchronization2019

    • 著者名/発表者名
      Wei Yue、Okazaki Yuka O.、So Richard H.Y.、Chu Winnie C.W.、Kitajo Keiichi
    • 雑誌名

      NeuroImage

      巻: 202 ページ: 116028~116028

    • DOI

      10.1016/j.neuroimage.2019.116028

    • 査読あり / 国際共著

URL: 

公開日: 2021-01-27  

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