研究課題/領域番号 |
17K12710
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
小野 峻佑 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 助教 (60752269)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 乱択最適化 / 凸最適化 / ハイパースペクトル画像 |
研究実績の概要 |
「乱択ハイパースペクトルイメージングの創成と応用」に関して様々な検討を行った。本年度は、昨年度定式化した正則化項とデータ忠実項から成る最適化問題を解くための乱択アルゴリズムを設計した。アルゴリズムは、確率的主-双対近接分離原理に基づいて構築し、制約条件の形で表されたデータ忠実項に対応するために、エピグラフ射影を組み込める形で設計した。この点に関して、エピグラフ射影には、元来、乱択最適化に直接組み込めるテクニックではなかったため、最適化理論の観点からも意義のある結果である。また、並行して、ハイパースペクトルイメージングのためのデータ合成手法についても開発を行った。こちらは現在のところ乱択最適化が可能な定式化にはなっていないが、適切な変更を加えることで、本研究で開発した乱択アルゴリズムで最適化可能なものに発展させることができる見込みである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
アルゴリズム構築に関してはおおむね計画通りに進捗している。また、関連する成果に関しては、信号処理分野のトップカンファレンスであるICASSPやICIPで発表予定である。加えて、これらを更に発展させた成果をIEEEの論文誌に投稿するため、準備を進めている。
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今後の研究の推進方策 |
30年度に構築した乱択アルゴリズムの有効性を実データ(ハイパースペクトル画像)を用いて検証し、必要に応じてフィードバックすることで、手法の改善・拡張を行う。また、並行して成果を順次論文にまとめる予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
アルゴリズムの開発(理論面)に注力したことにより、実データによる実験を行うための設備投資や出張費の支出がなかったため。繰越分は、翌年度に行う計算機を用いた実験のための物品購入、および過去2年間の成果を集中して発表するための出張費・論文掲載費用のために使用する。
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