研究課題/領域番号 |
17K12717
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
亀田 裕介 東京理科大学, 理工学部電気電子情報工学科, 講師 (50711553)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | インター予測 / データ圧縮 / 多視点映像 / 奥行きマップ / 数理工学 / 動き推定 / 動き補償予測 / オプティカルフロー |
研究実績の概要 |
映像データ圧縮符号化方式は、放送、通信、ストレージなどの様々な分野の基盤技術であり、そのさらなる進化は、IoT (Internet of Things) での大規模な通信量の削減や、災害時等に輻輳する通信インフラでの高品質な映像中継などを行うためにも必要不可欠であり、被写体の奥行き情報を含む立体映像(3DTV) データのための拡張機能(3D-HEVC)の規格化も行われている。この規格における立体映像データは多視点の奥行き情報付き映像(RGB-D 映像)で構成され、任意視点テレビ放送や、ステレオ内視鏡による臓器の立体情報の伝送・蓄積など、医工学のみならず国家的な幅広い応用が期待されている。このような立体映像データの圧縮方式について国際的な研究開発が活発に行われており、圧縮率のさらなる向上が求められている。 本研究課題では奥行き情報を伴う多視点映像で構成される立体映像情報のデータ圧縮率の向上を目的として、平成29年度に次の2項目の研究を実施した。 1.ステレオとRGB-D のシーンフロー推定による近似画像とそのMC-DCT 符号化方式への統合 2.シーンフロー推定精度向上のための信頼性評価・領域分割・遮蔽除去方法の開発 復号済みフレームから推定される画素毎の動きによって符号化対象画像の近似ピクチャを生成し、参照ピクチャリストに追加することでインター予測精度を向上させることができた。また、奥行きマップは時間的に奥行き値が変化するため、その時間変化をシーンフローにより推定することで奥行き方向の動き補償も行う手法を提案した。これにより、奥行きマップの予測精度を向上させることができた。また、シーンフローは被写体境界付近での精度低下が課題となるため、その境界領域の検出を信頼性判定により行う手法を提案した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成29年度は上述の2項目を実施する計画であり、おおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
当初の計画通り、研究項目1,2の成果をまとめつつ、計画3,4を実施する。
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次年度使用額が生じた理由 |
計算機が当初の見積もりより安く購入できたためである。次年度使用額は少額であり、計画に合わせて消耗品や会議参加費等に使用する。
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