将来的に国家レベルで実施される任意視点3Dテレビ放送や遠隔中継、ステレオ内視鏡などへの実用化が期待されている奥行き情報を伴う多視点映像で構成される立体映像情報のデータ圧縮率の向上を目的として、被写体の3次元の動きを表す「ステレオシーンフロー」および「RGB-Dシーンフロー」の推定理論を再構築するため、次の4つの項目について研究と成果のまとめを行った。 1. ステレオとRGB-Dのシーンフロー推定による近似画像とそのMC-DCT符号化方式への統合 2.シーンフロー推定精度向上のための信頼性評価・領域分割・遮蔽除去方法の開発 3. 変分法に基づく多視点RGB-Dシーンフロー推定理論の定式化とその並列計算法の構築 4. 多視点RGB-Dシーンフローによる多視点の近似画像生成とMC-DCT符号化方式への統合 離散化した方程式についてフォンノイマンの数値安定性解析を行うことで安定条件を導出し、ラックスの等価定理により数値解が解析解に収束することを証明した。続いて後半として、高速化のために離散方程式の数値計算をRBGS法により高速並列計算を行うための条件の導出やメモリ間通信速度を向上させるためのデータ構造について解析し、高速化の可能性を見出した。この研究成果をまとめたジャーナル論文を投稿準備した。また、時系列分布データの予測という観点から、地理的な太陽光発電分布の時間変化を動きとして推定し、予測する技術の解析に関する研究も継続しており、ジャーナル論文が採択された。また、企業と共同して、最新の映像符号化規格への統合を試みた。
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