研究課題/領域番号 |
17K12723
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研究機関 | 茨城大学 |
研究代表者 |
芝軒 太郎 茨城大学, 理工学研究科(工学野), 講師 (70711290)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 筋電義手 / 双腕協調動作 / 動作モデル / トレーニングシステム / Virtual Hand / 偏Kullback-Leibler情報量 |
研究実績の概要 |
本年度は,双腕協調動作モデルを内包した5指駆動型筋電義手の実現に必要となる双腕協調動作訓練システムおよび動作モデルを内包した3Dプリンタブル筋電義手の開発を行った.まず,双腕動作訓練をVirtual Reality(VR)環境下で実施可能なトレーニングシステムを開発した [The 2nd IEEE Life Sciences Conference (LSC2018)].提案システムではVR環境下に構築したVirtual Hand(VH)を筋電位および各指の角度情報に基づいて制御可能である.訓練者は指示された双腕動作を再現するよう自身の筋電位信号および角度を制御することで,安定した双腕動作を実現可能となる.実験では各腕6動作の組み合わせで実現できる36動作を提案システムを用いて訓練することで,識別率が向上することを明らかにした.さらに,義手を用いて行う作業をモデル化し,作業状態に応じて識別対象動作を限定することで識別の安定化を実現した.そして,実際に3Dプリンタを用いて筋電義手を構築し,姿勢変化などによる筋電位信号の意図しない変化に対応して義手を用いた作業が精度良く行えることを確認した [第28回ライフサポート学会フロンティア講演会]. また,これら筋電義手訓練システムの開発で得られた知見を元に,脳波信号など筋電位信号に限らない生体信号インタフェースの操作訓練システムを新たに開発した [The 2nd IEEE Life Sciences Conference (LSC2018)]
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
1. 双腕協調動作を考慮した筋電義手訓練システムを構築するとともに,脳波信号などの生体信号インターフェスのための訓練法を新たに開発できた点. 2. 動作モデルを内包した筋電義手を開発し,開発した義手と健常肢とで実際の作業を実現できた点.
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今後の研究の推進方策 |
動作モデルをさらに発展させ双腕動作時の従属性を考慮できる双腕協調タスクモデルを構築し,5指駆動型筋電義手に応用する.そして,実験を通してその効果を検証する予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
使用者の生体信号制御能力を向上するためのトレーニングシステムにおいて進展があり,十分な研究成果を得るために本年度そのシステム構築およびその検証を行ったため. (使用計画) 双腕協調タスクモデルを内包した5指駆動型筋電義手開発と開発に重要となる評価および訓練システム開発のための機器購入,検証のための環境構築に使用する
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