• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2017 年度 実施状況報告書

高伸縮性ニット基板へのセンサ配線実装技術とモーションキャプチャへの応用

研究課題

研究課題/領域番号 17K12724
研究機関東京大学

研究代表者

高松 誠一  東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 准教授 (20635320)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2019-03-31
キーワード導電性ポリマー / 歪センサー / スクリーン印刷 / 伸縮性配線
研究実績の概要

AR,VR分野における人の手のモーションキャプチャーの簡易化のために、伸縮性のあるニット上に有機導電性ポリマーを用いた関節角センサ、配線を印刷、配線実装する技術を開発する。従来技術では、加速度センサやジャイロなどをフレキシブル基板上に実装後に手袋に接着する方法であり、基板に伸縮性がなく手の動きが制限されたり分厚く違和感があるという問題があった。本研究では、伸縮性のあるニットを基板とし、スクリーン印刷による有機導電性電極の加工方法の開発し、関節角を計測するひずみゲージや配線を形成、アンプ用チップを低温で配線実装する技術を研究開発する。本年度は、ニット上への導電性ポリマーを用いた間接角センサーの試作とその特性評価を行った。具体的には、ニット上へのネガパターン法を用いた導電性ポリマーパターニング技術を開発した。スクリーン印刷機によりネガパターンとなるシリコーンゴムをニットに印刷する最適な条件を得た。さらに、導電性ポリマーPEDOT:PSSをネガパターンの中にコーティングし伸縮性間接角センサを試作した。試作したデバイスは30 %の伸縮に1000回程度耐えることが分かった。また、関節の曲げを生じたひずみにより計測する。この際の歪センサ特性として、ゲージ率-0.14を示すことが分かった。また、指に装着して曲げを検知する実験を行い、検知可能であることを示した。今後は、センサだけでなく配線部分、また電子部品等の実装部分について開発を進める。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

モーションキャプチャー用の伸縮性のあるセンサ、配線技術の開発を目的としており、その半分であるセンサ開発部分は終了した。そのため、当初の予定通りに研究は進んでいる。
具体的には、ニット上へのシリコーンゴム、導電性ポリマーのスクリーン印刷技術を開発し、幅2mm 長さ12mmのセンサを試作した。スクリーン印刷においては、印刷精度を高めるためには、シリコーンゴムの膜厚を印刷するニットの膜厚に応じて調整することが重要なパラメータであることが分かった。特に、シリコーンゴムの硬化した場合の膜厚がニットの膜厚と同じになるようにすることが最適であることが分かった。また、試作したセンサについては、ニットを基材としているため、当初の目的の通り伸縮性を持つことが分かった。センサ特性としては、伸びても使えるためゲージ率は0.14と従来より小さい。一方で、ニットの持つ複雑な形状の効果で伸びた時に抵抗値が小さくなるという新しい現象を見つけた。このように、間接角をはかる伸縮性のあるセンサの製造方法、特性を評価することができたため当初通りに進んでいる。

今後の研究の推進方策

前年度にモーションキャプチャー用の伸縮性のあるセンサ部分の試作方法を開発したため、今年度はその配線技術の開発を行う。具体的には、センサから外部の信号増幅アンプ等に銀ペースト等を用いた配線をニット上に構築する技術の確立を行う。ニット上は、毛糸自体の複雑な糸構造やニットとしての編み構造があるため配線を形成することが難しい。そのため、これらの構造の影響を受けない配線構造の考案とスクリーン印刷技術の開発を行う。さらに、アンプ等と接続するために電子部品等のニット上への実装技術の開発も併せて行う。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2017

すべて 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] Piezo-Resistive Stretchable Sensor with Conductive Polymer-Patterned Knit Textile2017

    • 著者名/発表者名
      S. Takamatsu and T. Itoh
    • 学会等名
      MRS fall meeting 2017
    • 国際学会

URL: 

公開日: 2018-12-17  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi