研究課題/領域番号 |
17K12731
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
五十嵐 悠紀 明治大学, 総合数理学部, 専任准教授 (70549485)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 着物 / 着付け / 帯 / 初心者 / インタフェース |
研究実績の概要 |
和服は日本の伝統的な衣服であるが,日常的に和服を着ている人は少ない.着てみたい気持ちはあるが,着方がわからず着られないという人や,一度は着られるようになったものの,ずっと着ていないため忘れてしまうといった人がいる.そこで,本提案では初心者の着付けを情報技術を用いて支援する2つのシステムを検討・構築してきている. 1つ目は昨年度から引き続き、和装着付けの練習のための支援システムである. 画面には距離センサーで取得した映像を表示し,ステップに応じてガイド線とダミーアーム(腕の動きをわかりやすく可視化した仮想の腕)を重ねて表示することで着付けを支援する.1年目で行ったユーザスタディや学会発表から得たフィードバック等を元に,より実用的なシステムへと検討・実装を重ねた. 2つ目は帯結びに着目した支援システムである.帯結びについても様々な結び方が存在するが,帯結びの種類や構造を理解したり,創作結びをデザインしたりすることは初心者には難しい.現状では着付け師と着付けをしてもらう側とがどのような帯に結んでもらいたいかといったことを伝えることすら困難であり,本や写真などを見ながらすでにあるパターンの中から選ぶことが多い.そこで帯の中でも使われる機会が多く自由度の高い半幅帯に対象を限定して,帯結びエディタを提案・構築した. パーツの組み合わせによって帯結びの形状を作成するエディタの提案により,実際の帯結びとして不自然な形状になっていないかをある程度判定することも可能となった.また,エディタを用いて作成したデータの利用例として,帯結びを含めた後ろ姿もコーディネートできる着物コーディネートシステムを開発した. 提案システムについて,学会発表を行い,得たフィードバックを元に,より実用的なシステムへと検討し,アルゴリズムの提案を行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究課題では、当初は (1)着物の着付けの仕方,および帯の結び方を一般ユーザが理解するための技術およびアーカイブ (2)3次元キャラクタに着物を着せるための技術 の2項目に取り組む予定であったが、(1)の着付けおよび帯の結び方に着目をして研究に取り組む方針に変更し、(1)に注力してアルゴリズムの提案やシステム開発を行った。 一般ユーザを対象としたユーザビリティテストや学会発表などを重ねて一般ユーザが使えるようなシステムを目指して実装を進めている。
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今後の研究の推進方策 |
既存手法との比較検討のためのユーザスタディが行えていない. また,帯の形状をアーカイブするためには通常の3次元スキャナでは精度が荒く,試行錯誤をした結果うまくいかないことがわかったので,手法の検討および研究の方向性を修正した結果,帯結びエディタを画像としての利用だけでなく,帯結びの内部構造を扱えるようにすることで,作成した帯結びに必要な帯の長さの算出や,実際に結べるか否かのより正確な判定の実現を目指すこととした.また作成したデータを用いてデータベースを作成し,帯結びの知識を持たない初心者がデータベースを利用して帯結びに関する知識や理解を深めるための支援を行う予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
アルバイト代としての予算と実績のずれにより、次年度使用額が生じた。 次年度もアルバイト代として使用計画をしている。
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備考 |
明治大学五十嵐悠紀研究室HP http://www.isc.meiji.ac.jp/~yukilab/ 研究業績 http://www.isc.meiji.ac.jp/~yukilab/research.html
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