研究課題
若手研究(B)
多数の要素から構成される電力網,通信網などの複雑なネットワークシステムの挙動の予測・制御は大変難しい.複雑系科学の分野では,これらネットワークシステムを簡易な振動子ネットワークとして数理モデル化し,研究・調査している.本研究では,振動子ネットワーク内の要素間の情報伝達の不均一性(ばらつき)が,システムの安定性にどのような影響を与えるのかを工学的な視点から調査した.その結果,特定のネットワーク構造において,適切な相互作用の不均一性が,システムの安定性を向上させることを明らかにした.
複雑系科学
本研究では,工学システムの不要な振動除去へ応用が期待されている「振動停止現象」と呼ばれる現象に着目をし,調査・研究をおこなった.直感的には,ネットワーク内の情報伝達が等しい方が,振動子ネットワークを安定化させやすいと感じるが,得られた研究成果は,適切な不均一性(ばらつき)があったほうが安定化させやすいというものであった.この結果は,システムの不均一性を上手く利用すれば,システム内の振動除去を容易におこなえることを示している.