生活支援を行うためのロボットの行動を知能化するために必要な,精度の高い 3 次元位置情報計測・蓄積システムを構築し,その有用性を検討してきた.具体的には、周囲の雑音に対して頑健なスペクトル拡散通信(SS:Spread Spectrum)方式を超音波に導入し,精度 5[cm]以内で 3 次元データを取得し,システムに蓄積する. 研究を進めるにあたって,コミニュケーションロボットの範囲をドローンに拡張し,ドローンのノイズの影響下においても超音波による位置計測が可能であるか検討を進めてきた.これまで,複数の受信機に対して,電波を用いたSS通信である従来のGPSで採用されている精度向上手法を応用し,超音波での位置精度の向上を目指した.その結果,最大15[cm]の誤差でコミニュケーションの位置関係を計測するできることがわかった.ドローン飛行時の平均誤差は4.1[cm]であり,当初の精度を達成した.さらに,センサのIoT化とクラウドサービスを利用したデータ蓄積手法を提案し,位置情報のデータベースを構築し,リアルタイムに情報が蓄積されることを確認した. 最後に,人とドローンの位置関係に対する人の心理的な疎外感,危機感を3次元の位置情報から評価した. その結果,本提案手法を用いることで,被験者とドローンが,125cm以上離れることで,恐怖感を感じないという結果が得られた. また,人とドローンが150cm離れていても,コミニュケーションが十分取れるということがわかった.
|