研究課題/領域番号 |
17K12763
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
今村 由芽子 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 研究員 (60760436)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 身体能力 / 動作計測 / アシスト機器 |
研究実績の概要 |
本研究では動作変化と使用者の身体能力、アシスト装具による補助力との関係に着目し、被験者実験と運動解析により、使用者の身体能力とアシストによる動作変化との関係の解明、装具のアシスト力と動作戦略の関係のモデル構築を行い、身体能力とアシスト装具による動作戦略変化との関係を表す推定モデルを構築することを目標とする。 昨年度は、3次元動作計測システムと床反力計、筋電計、その他アナログデータと映像を同期して記録し、身体測定及び身体能力を背筋力、握力、脚力等により定量評価する環境を構築し、試験計測を行った。 今年度は中高齢者を対象とし、身長・体重等の身体データとTimed up and go test等の体力テスト、11mの平地歩行中の動作計測実験を、企業で開発中のアシストスーツのプロトタイプを用いて行い、アシスト装具使用時の動作変化を定量的に解析した。その結果、多くはアシスト力を受けてより大きな歩行動作に変化したものの、元の歩行能力が低い着用者はアシスト力に適応することができずアシスト力を上手く活用できない傾向がある可能性があることが明らかになった。この点に関しては引き続き調査を行い関係のあるパラメータ抽出を進める。 また、昨年度から今年度にかけて、身体の複数の対象関節に対し任意の方向に弱い補助力をかけることが可能な実験用アシスト装具の設計・製作を行い、基礎的なテストを行った。次年度はこれを用いてより大人数の計測を実施し、アシスト方向と動作変化の関係も含めた実験を行いその関係性を明らかにする。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
予算の関係上、予定していた実験用アシスト装具の開発を行わずに他の研究テーマで開発される予定の機器を用いることとし、アシスト装具を用いた実験は今年度開始したため、当初の予定よりは遅れている。今年度は複数人を対象とした実験を2種類のアシスト装具を用いて行うことができたため、計画より遅れているものの順調に伸展している。
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今後の研究の推進方策 |
新たに開発されたアシストスーツも用いて、身体能力パラメータと動作パラメータ、更に段階的なアシスト力との関係を計測・解析し、それらのモデル化を引き続き進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
他の研究予算のプロジェクトとの兼ね合いにより、アシスト装具開発費など本予算からの支出が不要になった経費があったため、当初予定と差額が生じた。次年度は、引き続き被験者実験を行うため、その準備や謝金、更に国際会議での成果発表に予算を使用する。
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