これまでに我々はがんの進化シミュレーションモデルモデルによってがんの進化原理を探索してきた。。我々のがん進化モデルはセルオートマトンモデルの一種で、パラメータセットに依存して各細胞がゲノムに異なる組み合わせ変異を蓄積していきながら、細胞集団が不均一性を生成しつつ成長していく様子を再現できる。本研究ではがこのん進化モデル用いた超並列シミュレーションによりがんの進化原理を探索するためのフレームワークを整備した。具体的には1)シミュレーションモデル構築・改良、2)様々なパラメータセットで超並列シミュレーション、3)各シミュレーションより得られた変異プロファイルの要約統計量を計算、4)インタラクティブな可視化ツールを用いてパラメータ依存性を解析、の4ステップを東大医科研ヒトゲノム解析センターのスーパーコンピューター上でシームレスに行えるパイプラインを構築した。特に4)の可視化のステップについては4次元のパラメータ空間全体をウェブブラウザ上でインタラクティブに探索できる、並列シミュレーション結果の可視化手法一般としても新規性の高いツールMASSIVE viewerの開発に成功した。MASSIVE viewerは一つの要約統計量をの4次元パラメーター空間での全体像を表示するoverviewモードおよび三種類のようやく統計量をfocusedモードをを持っている。一次元格子で空間構造のがん進化への影響を調べた解析例を https://www.hgc.jp/~niiyan/massive/ にて公開している。今後本研究で開発したリソースを用いてがんの進化原理のさらなる探索を行っていく予定である。
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