研究課題
IoTを利用した世帯に、研究事例としてHome Energy Management System(HEMS)が挙げられ、電力消費量削減に貢献するシステムではあるが、初期費用が高いためエネルギーコスト削減のみでは回収には至らない場合が多い。しかしながら、国内外の世帯のエネルギー消費量は年々高まっており、その対策は急務である。そのため、HEMSはエネルギーに焦点を置いたもののみならず、総合的な生活環境と効率性の向上を目的としたスマートホームとして様相を変えつつある。世帯のエネルギー消費量削減を目指すためには、必ずしもエネルギー、環境貢献が根拠にならないと理解し、快適性や利便性を求める傾向にあるため、住民が住環境に求めるニーズを理解した技術およびサービスの提供が必要となる。このような背景から本研究では、WHOの定めた住環境の4つの理念を、IoT技術を利用して実現することを目的とし、居住空間における快適性向上システム構築を実施した。これまでHEMSやスマートホームはエネルギー消費の効率化・居住空間の快適性向上・セキュリティ・コミュニケーションの円滑化など事象の底上げに対する施策が主であったが、住人は連続的な行動を取るものであり、且つ行動にとっての快適性はそれぞれ異なる。つまりは居住空間を時系列の事象と捉え、連続的な行動に対応可能なシステムが必要となる。本研究の目的を達成するためには、居住空間の行動を分類しシーン別・時系列としての行動を把握した上での制御が必要となる。そのために、行うべき事象を4つに大別し、(1)技術による状態変化が可能な居住空間の定義、 (2)対応するセンシング手法およびデータの整理、(3)情報提示手法・家電別自動制御手法の定義と実装、(4)居住空間における定量的・定性的評価を目的とした実証実験を行なった。
すべて 2019
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)
Computing in Civil Engineering 2019: Smart Cities, Sustainability, and Resilience
巻: - ページ: 211-218
https://doi.org/10.1061/9780784482445.027