研究課題/領域番号 |
17K12796
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
小野 永貴 筑波大学, 図書館情報メディア系, 助教 (10592868)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 高大連携 / 図書館 / 高校生 |
研究実績の概要 |
本研究は今年度、研究成果の取りまとめと対外発表を中心に行った。 特に、昨年度実施した「高校時代に大学図書館を利用可能であった卒業生に対するインタビュー調査」の分析結果について、査読付き国際会議で2件の発表を行った。分析結果としては、高校生が大学図書館利用に至って発展的利用に繋がるまでのプロセスが明らかになっただけでなく、大学図書館の利用権が与えられつつも利用に至らなかったケースについて、その障壁要因を抽出することができた。これらの国際会議発表の結果、うち1件について、優秀論文賞を受賞することができた。(10th International Congress on Advanced Applied Informatics "Outstanding Paper Award")さらに、本研究成果を取り入れる形で研究代表者は博士論文を執筆し、全文をインターネット公開した。 その他、今年度は本研究成果をもとにして、探究学習に取り組む高校生への社会還元にも努めた。具体的には、スーパーサイエンスハイスクール(SSH)に指定されている高等学校において、研究活動の基礎に関する生徒向けの講演を行っているが、本研究成果で得られた知見に基づいて指導内容の改良を行った。将来的な学会発表を目指した研究発表の技術を伝達し、大学初年次レベルの研究書や映像資料を紹介して購読の推薦を行ったが、十分に理解が図られたことを示唆するフィードバックが得られた。この経験からも、本研究で明らかにした図書館高大連携の有用性が実証的に示されたといえよう。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究は、新型コロナウイルスの影響等に伴い補助事業期間を再延長し、研究計画の全体的な見直しを行ってきたが、再策定した研究計画に基づくスケジュールに沿う形で、おおむね順調に進展しているといえる。具体的には、今年度の当初に想定した通り、研究全体に跨る最終的な研究成果の取りまとめおよび国際会議等での成果発信を、行うことができたといえる。
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今後の研究の推進方策 |
研究全体としては成果発信も含めた最終段階に到達しつつあるが、当初想定した調査の中で一件のみ、新型コロナウイルス禍に伴い実施保留となっていたものが存在する。当該調査は、新型コロナウイルス禍の収束後に再開を目指す旨の議論をしていたため、今後感染状況が改善する可能性に鑑み、補助事業期間を改めて再延長した。今後、感染状況の変化を見極めたうえで、本研究課題の中で実施可能かどうかの最終判断を行うこととする。また、引き続き研究成果の発信や社会還元にも努める。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス禍に伴い実施保留となっている調査が一件あり、その調査が再開可能となった場合に備えて、実施費用を残している。実施可能となった際は、調査協力先への謝礼や分析補助者の人件費、調査資料の整理や記録等に用いる消耗品費などに執行予定である。
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