研究課題/領域番号 |
17K12797
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研究機関 | 和歌山県立医科大学 |
研究代表者 |
谷岡 健資 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (40782818)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 次元縮約クラスタリング |
研究実績の概要 |
本研究では対象×変量×条件の3者関係を表現した3相3元データ等を対象に,低次元空間でデータの特徴が解釈可能な次元縮約クラスタリング法に関連する方法の開発を行っている.今年度は特に3種類の研究を行った. [1]カテゴリカル多変量データが与えられた際にクラスター重心をカテゴリに制約し,かつクラスター間を識別するための非負値制約に基づく部分空間を出力する次元縮約クラスタリング法の開発を実施した.本手法は解釈結果が容易であり,かつ既存の解析方法と比較してもクラスタリング結果の精度が落ちないという利点を示した. [2]カテゴリカル多変量データおよび対象や変量等のクラスター情報が与えられた際に,対象のクラスター情報に関する特徴を表現した低次元空間を推定する制約付き非計量主成分分析法を開発した.従来の方法と比較してデータへのフィッティングが上昇していることを確認し,本手法のアイデアを用いて3相3元データに関する次元縮約クラスタリング法へ拡張可能なことを確認した. [3]3相3元データに対するTucker 3クラスタリング法に関して実際のfMRIデータへ応用することを想定した制約付きの方法を開発した. 上記の3つの手法はいずれも複雑データから解釈容易性を満たした次元縮約クラスタリング法であり,[2]は特に研究目的である3相3元データに対する次元縮約クラスタリング法のモデルの基になるモデルであり,そのモデルの検証も終わったことから有用なモデルが開発できると考えている.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究計画では,3相3元データに対する新たなモデルを検討する予定であったが,3相3元データへ拡張する前に,当該モデルの妥当性を検討するため,通常の2相2元データへの検討を行ったため,当初より研究計画が遅れている.さらに,2019年度の所属機関での組織体制の変更等により当初予定した業務量が大幅に増えたため,研究時間を確保できなかったことも理由として挙げられる.
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今後の研究の推進方策 |
2019年度に検討したモデルを3相3元データへ拡張し,その妥当性を理論的な観点および数値シミュレーション,実際のfMRIデータへの適用を通して検証する予定である.また,当初予定していたパス解析も含めた形で定式化し,論文化およびパッケージ化を進めていく.
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次年度使用額が生じた理由 |
年度末に出席予定していた学会がコロナの影響でなくなったためである.今年は予定を変えて,計算機等や参考文献に使用する予定である.
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