最終年度は(1)および(2)に取り組み,加えて全体としては (3),(4)について取り組んだ. (1) 対象×脳領域×条件の3組に対するfMRIデータに対して,条件間の差が顕著な脳領域のクラスターを検知するための新たな次元縮約クラスタリング法を開発した.数値シミュレーションで当該手法の有用性を確認し,実際のfMRIデータに適用し,解釈を行った結果を論文化した. (2) 3相3元データを2相3元相関行列に変換して,スパースな低ランク行列を推定するための新たな解析手法を開発した.現在当該手法について論文投稿を進めるための準備を進めている.また,その前段階として単相2元相関行列に対して開発した方法については既に論文化した. (3) パス解析に基づく次元縮約クラスタリング法については,構造方程式モデリングに基づくスパース次元縮約クラスタリング法を開発し,国際学術雑誌に論文投稿中である.本手法の利点は解析者が持つ仮説をモデルに組み込み,その上でデータ駆動的にパスを自動選択することが可能な点である. (4) 3相3元次元データに対する次元縮約クラスタリング法を開発するための付随的な研究として,質的多変量データに対する新たな次元縮約クラスタリング法の開発,非対称非類似度データを含む複数の複雑データから特徴を抽出するためのパス解析法の開発を行い,論文として結果を公表した.
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