研究課題/領域番号 |
17K12802
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
藤川 真美乃 (時田真美乃) 信州大学, 学術研究院総合人間科学系, 助教 (70647106)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | プログラミング教育 / 認知科学 / 多重ループ / チャンク / リハーサル |
研究実績の概要 |
本研究計画は、プログラミング学習時における最も基本的な制御構造のif文・for文の多重ループ学習で、「入れ子構造」の学習が困難となることに、人の認識の限界が関係することを取り入れ、教育における工夫の効果を検証するものである。具体的にはチャンクや繰り返し学習を取り入れた教材を開発し、理解度を測定する。29年度の研究実績は下記の3点に集約できる。 1.プログラミング多重構造の理解を含む再帰的推論の正答率および処理時間の関連性についての成果発表を、2017年7月8日、12月9日に実施した。 2.再帰性・志向性に共通の思考基盤や限界はあるかについてのセッションを企画し、学会にて2017年9月13日に講演およびオーガナイズド・セッションを実施した。 3.プログラミングを学習する初年次の情報教育の授業において、学習教材の開発にあたり、音による効果の検証を実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の進捗状況については、プログラミング制御構造におけるif文for文多重ループの読み取りの効果的なチャンク活用の検証について、具体的な計画が順調に進行している。またif文for文多重ループ理解に効果的なリハーサルの回数の検証についても、授業における学習の理解度の差の検証を実施している。そして、プログラミング制御構造に沿ったif文for文のゲーム素材の開発に向け、機材を用意して検証を開始し、音を使用したチャンキングを使用した場合の理解度を測定した上で、初年次情報教育のカリキュラムへの取り込みの検討を実施した。
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今後の研究の推進方策 |
30年度以降については、29年度に検証した内容に対して、学生の理解度によってグループに分けたうえで各項目の検証を実施する。31年度には、30年度に実施したプログラミング制御に沿ったif文for文のゲーム素材を評価し検証した上で多重ループのゲーム素材を開発する。また、31年度には、過去授業との比較検証も実施し、「多重ループ」ゲーム素材、特に2重・3重までのループを含む制御構造の理解度の測定と教育方法を確立させる。またその成果を学会発表および学術論文で発表する。
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