本研究計画は、プログラミング学習時における最も基本的な制御構造のif文、for文の多重ループ学習で、「入れ子構造」の学習が困難となることに、人の認識の限界が関係することを取り入れ、教育における工夫の効果を検証するものである。29年度には、学習教材としてシングルボードコンピュータであるIchigoJamを使用し、制御構造の動作やタイミングの理解について音を利用する教材を開発するための予備実験を行った。またその結果について学会での発表を2回実施した。その上で、この教材の学習後に、理解が促進されたかについて調査を継続した。30年度については、29年度に調査した結果に加え、リハーサルの回数についても調査し、その研究成果を、9月7日に学会で発表した。その後、プログラミングを学習する初年次の情報教育の授業においての学習教材の開発にあたり、聴覚を使用したチャンキングの効果の検証を継続した。令和元年度については、聴覚を使用したチャンキングの検証の結果を、7月19日に学会で発表した。令和2年度については、今までの内容をまとめ、対面でないオンラインの授業の上でも効果的な工夫をした場合としない場合の比較も授業で実践し、確認を行った。授業での実践結果もふまえて、今までの研究成果を取りまとめ、論文に投稿を行い、その過程で追加分析等を実施し、成果が論文に掲載された。
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