研究課題/領域番号 |
17K12805
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研究機関 | 畿央大学 |
研究代表者 |
宮崎 誠 畿央大学, 教育学部, 特任助教 (60613065)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | ルーブリック / eポートフォリオ / パフォーマンス評価 / フォーマット / 技術標準化 / データフォーマット / リポジトリ / プラグイン |
研究実績の概要 |
平成29年度は,調査および設計フェーズと位置づけている.ルーブリックの共有・公開に関する事例等の情報収集を行った.本研課題で開発の対象としているシステムの一つにMaharaがある.Maharaの日本ユーザコミュニティでMOF(Mahara Open Forum)2018では,広島大学の隅谷孝洋氏のプラグイン開発チュートリアルに参加し,技術的な開発着手する準備ができた.また,パネルディスカッション「大学における組織的なeポートフォリオ利用の現状と課題」のパネリストとして登壇し,他大学からも各大学からのeポートフォリオ,ルーブリック評価の導入状況などが報告されるなか,授業レベル,カリキュラムレベル,組織レベルでの導入の課題も参加者のなかで共通に認識する課題となりつつある.海外におけるルーブリックの活用状況を調査した.1つ目は,AAC&U2018 Annual Meetingに参加した.Liberal Education and America’s Promise (LEAP)による教育に対する取り組みでは,VALUE Rubrics を活用したより実践的な教育改善の取り組みがみられた.2つ目は,オーストラリアのDeakin Universityの Dr. Leanne Ngo氏を訪ね,eポートフォリオとルーブリック評価を導入した教育について,事例をご紹介いただき,情報交換を行った.次年度から予定している開発と実装に関しては,ルーブリックのスキーマ設計やデータ交換手法には,IMS GLCが平成29年度に公開した標準規格 IMS Competencies and Academic Standards Exchange (CASE) Service Version 1.0 を採用する予定である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
国内外のeポートフォリオおよびルーブリック評価の実践方向や導入事例を調査し,本課題研究で指摘している1. 設計が困難―パフォーマンス評価やポートフォリオ評価に馴染みのない教員は,テスト作成と違い,ルーブリックを設計することには不慣れであり,作成そのものができない,2. 使用許諾(ライセンス)不明―他の教員が作成したインターネットや論文等のルーブリックに許諾(ライセンス)が明示されておらず,安心して利用・改変することができない,3. 言語依存―AAC&Uが開発したVALUEルーブリックは,評価精度も高く,アメリカでは広く利用されているが,日本語で利用するには英語を翻訳する必要がある,4. 形式多様―既成の公開されているルーブリックは,WordやExcel, PDFなど様々な形式で作成されており,ルーブリックをシステム等で利用するためにCSVファイルに再構成する必要がある,という課題は依然存在しており,パフォーマンス評価のためのeポートフォリオやルーブリックの導入の障壁として存在していることが示唆された.また,技術的な動向として教育システムを開発する際には, 標準規格に準拠することがその技術に普及に重要であることは言うまでもなく,SCORM,IMS GLC等の標準化がeラーニングの普及に果たした役割が大きいようにルーブリックについても標準規格に準拠することを目指しいる.本課題研究では,IMS GLCが策定し,公開した標準規格「Competencies & Academic Standards Exchange」を採用することにした.しかしながら,本標準規格が発表されたのが,平成29年度の夏頃であり,まだまだ実装するシステムの事例は乏しい状況であり,現在,データベーススキマー設計として実装するための仕様の確認を行っている状況である.
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今後の研究の推進方策 |
IMS GLCの標準規格「Competencies & Academic Standards Exchange」の公開時期のこともあり,スキーマ設計とルーブリック共有サイトのプロトタイプの作成に時間を要している状況である.しなしながら,標準規格の厳格に実装することが本課題研究では重要であり,時間をかけてでもしっかりした設計および実装を直実に進めていく.平成30年度に予定している開発フェーズは,早い段階でスキーマ設計および実装を済ませ,教育システム開発に明るい協力者である研究者とも連携して開発を急ぐ必要があり,また,開発の業務委託の時期や分量を調整することで,現在,遅れている部分を取り戻す予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
(理由) 平成29年度に計画していたルーブリック共有サイトプロトタイプの開発の着手までにまだ至っていないため. (使用計画) 早い段階でスキーマ設計および実装を済ませ,教育システム開発に明るい協力者である研究者とも連携して開発を急ぎ,また,開発の業務委託の時期や分量を調整することで,現在,遅れている部分を取り戻す予定である.
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