本研究では、周北極域における樹木年輪および衛星植生指数変動と過去の気候変動との対応関係を同一解析条件下で求めた。このような基礎的データの提供は、これまでほとんど地球温暖化に関する政府間パネル(IPCC)の評価報告書に取り上げられてこなかった樹木年輪生態学的研究および衛星観測データ(植生指数)研究の価値の再構築につながり、広い分野に波及効果をもたらすと考えられる。また、本成果は、全球気候モデルの生態系炭素収支過程の高度化に資することが可能である。その高度化が達成されれば、全球気候モデルの将来予測の不確実性の減少を通して全球の気候変動予測に大きな影響を与える。
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