炭素・窒素・リン循環に関わる酵素を対象として、それぞれの酵素生産の攪乱に対する安定性と、土壌微生物群集の種多様性の関係性について調査した。その結果、酵素活性の種類によって、土壌攪乱に対する安定性に土壌微生物群集の種多様性が与える影響は異なることが示唆された。炭素循環に関わるβ-Dグルコシダーゼ活性は、調査した中で唯一、全ての土壌試料で酵素活性値の安定性と土壌微生物の種多様性の間に正の相関が認められた。土壌中の有機物分解に関わる実験結果からも同様の傾向が認められたことから、炭素循環に関わる微生物機能の攪乱に対する安定性は、種多様性に依存する可能性があると考えられる。
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