SLX4集積に必要なユビキチン結合ドメインの欠損はファンコニ貧血(FA)を引き起こすため、その集積メカニズムは、FAの発症抑制に密接にかかわっている。このメカニズムを明らかにすることは、ゲノムの安定性や造血幹細胞の維持に役立つと考えられ、本課題にアプローチするための実験系を構築し、新規因子を同定したことに、本研究の学術的意義があるといえる。またファンコニ貧血をモデルとしたICL修復の研究を基に、内因性の化学物質がゲノム不安定性を引き起こすことで発がんに至るメカニズムをあきらかにすることは、広くがんの発生、予防や治療を考察するうえでも貴重な検討材料となり、社会的貢献につながると考えられる。
|