本研究では、男性ホルモン作用のある化学物質のばく露によって魚類の「胚期」にその発現が誘導され、かつ、性決定遺伝子カスケードである特定の遺伝子を指標とすることで、化学物質の「性別」への影響を予測する、高解像度かつ簡便な新たな生態毒性試験法の開発を目的とする。 2年目は、メチルテストステロンばく露によって遺伝的メスから機能的オスへと性転換していた性転換誘導のプロセスを明らかにするため、性決定遺伝子カスケードの遺伝子の発現動態を調べた。その結果、遺伝的メスから機能的オスへと性転換が誘導される際、精巣分化に重要な遺伝子であるGsdf遺伝子やDmrt1遺伝子の発現が誘導されることが明らかとなった。
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