研究課題
平成30年度は①ハクサンハタザオが重金属に曝露した際の植物体内における必須元素動態について多変量解析を用いた検討、②LA-ICP-MSを用いたハクサンハタザオ根圏の重金属マッピングを実施した。①ハクサンハタザオの土壌栽培における生育条件を変えた場合にカドミウム・亜鉛の蓄積および他の必須元素の植物内濃度に与える影響を検討した。ハクサンハタザオに施肥した場合にカドミウムと亜鉛の蓄積濃度は無施肥時と比較して有意に濃度が上昇し、バイオマスも大きく増加する傾向にあった。また、土壌中のカドミウム・亜鉛溶出量をコントロールするため土壌pHを変化させた場合は、カドミウム・亜鉛を含めて植物中の元素濃度に有意な差は見られなかった。本研究成果について国際会議での発表を1件実施し、現在論文投稿を行っている。②ハクサンハタザオ根圏土壌にDGTゲルと密着させ、イオン化した重金属についてLA-ICP-MSでマッピングを行った。植物を育てていない土壌の場合、重金属の分布は一様でなかった。その一方で、ハクサンハタザオ根圏の土壌では根の先端部分に特に重金属の強い溶出が確認された。本研究成果について、国際会議で1件の発表を実施し、現在論文投稿準備を行っている。研究全体の総括として、ハクサンハタザオの植物体内外のカドミウムおよび亜鉛の挙動に関して様々な分析手法(TOF-MS、LA-ICP-MS、PETIS)や統計学的手法を用いてその解析を行った結果、ハクサンハタザオは自身で重金属を溶出する化合物を分泌し、溶出した重金属を積極的に吸収・蓄積する機構を有していることが示唆された。
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CYRIC Annual Report 2016-2017
巻: 1 ページ: 107-110
Proceeding for International Conference on Plant & Soil Science
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Journal of Environmental Biotechnology
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Energy, Ecology and Environment
巻: 印刷中 ページ: -