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2017 年度 実施状況報告書

低炭素社会を実現するポリマー分解微生物のハイスループットスクリーニング法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 17K12852
研究機関小山工業高等専門学校

研究代表者

高屋 朋彰  小山工業高等専門学校, 物質工学科, 講師 (90515553)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード放線菌 / 可視化 / ポリオレフィン / ゴム / 脂肪族ポリエステル / 生分解
研究実績の概要

本研究では、オレフィン系ポリマーや脂肪族ポリエステルを用いた多孔質膜と発色試薬を組み合わせてポリマー分解微生物を『迅速・高感度』かつ『可視化』して探索し、同時にポリマーの『分解性評価』が可能となる新規ハイスループットスクリーニング法【ワンポット法】を開発することを目的とした。本年度は、以下の結果が得られた。
1.ポリイソプレン(PIP)を混釈した合成寒天培地にシッフ試薬を混釈し、当研究室で単離したラテックス分解性を有する放線菌を用いて検出法の検討を行った。その結果、100 ppmの濃度でシッフ試薬を混釈することによって、生育した放線菌の周囲のシッフ試薬の発色度が低下してしまい、分解性の鮮明な検出は困難であった。また、PIPの分解に作用する酸化還元酵素Rubber oxygenaseを対象とした酸化還元発色試薬による検出を行ったが、分解性を検出することはできなかった。現在、PIPの生分解時に生じるアルデヒド基の検出について、検討を行っている。
2.相分離法を用いたPIPの多孔質膜の作製が予定通り進まなかったため、パンチング加工によって物理的に孔を形成したPIP膜を用いてワンポット法を行い、ポリマーの分解性をSEM観察、GPCを用いた分子量分布の変化によって評価した。その結果、SEM観察によってPIP膜の表面および内部に放線菌の生育が確認され、また、培養0日目のMn=4.1×10^5、Mw=1.2×10^6であったのに対し、培養4週間目のMn=6.0×10^4、Mw=9.2×10^5となったことから、多孔質膜と合成寒天培地を用いたポリマーの簡便な分解性評価が可能となった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

孔を形成したポリマー膜と合成寒天培地を用いたワンポット法によって、微生物によるPIPの分解性を簡便に評価できることが明らかとなった。一方、発色試薬によるPIP分解性の高感度かつ迅速な検出には課題が残されているため、引き続き、ポリマー検出指示薬の検討を行う予定である。

今後の研究の推進方策

引き続き、迅速なポリマー分解微生物の検出法(ワンポット法)を確立するため、発色指示薬を用いた分解性の検出方法を検討する。また、自然界からのPIP分解微生物の探索を継続して取り組む予定である。また,その他のポリオレフィン系ポリマーを炭素源とした分解微生物の探索を行いたいと考えている。

次年度使用額が生じた理由

発色指示薬の検討が予定通りに進まなかったが、次年度の研究計画では発色指示薬の決定が必要となるため,次年度購入費として約6万円を未使用額にした。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2017

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] ポリ(cis-1,4-イソプレン)分解微生物の探索および新規生分解評価法の検討2017

    • 著者名/発表者名
      福田 貴大,和氣 佳洋,吉川 宗孝,倉持 圭佑,伊澤 悟,西井 圭,加島 敬太,飯島 道弘,高屋 朋彰
    • 学会等名
      第2回北関東磐越地区化学技術フォーラム

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公開日: 2018-12-17  

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