研究課題/領域番号 |
17K12859
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研究機関 | 尾道市立大学 |
研究代表者 |
岡本 隼輔 尾道市立大学, 経済情報学部, 准教授 (00756182)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | クラスター分析 / 国際貿易 / 産業連関表 |
研究実績の概要 |
本研究は、WIOD(: World Input-Output Database)を主体として作成される環境拡張型国際産業連関表を用いて、各産業の方向性を考慮したサプライチェーンネットワークを形成し、環境負荷集約的な国際産業クラスターの抽出を行うことで、世界全体でのより低負荷な社会の実現に向けての環境協定や技術協力、R&Dなどを行うことを目的としている。方向性を残しつつ国際産業クラスターの抽出が行われれば、例えば同一クラスターに所属する産業として「小麦(日本)(輸出側)」「製造業(台湾)(輸入側)」などが抽出され、これらの産業に関係する政策を行うための2国間協定の提案などに話をつなげることができるようになると考えられる。当該年度において、台湾と日本の貿易情報を内包した国際産業連関表を基にして隣接行列の作成等に取り組んだ。本研究では、一般的な産業連関分析において一つの産業にまとめられる項目を、輸出側面を持つ産業及び輸入側面を持つ産業の2つの項目に分割することで、方向性の情報を保持したまま隣接行列を作成しようとしている。その一方で、産業連関表の種類によってはその解像度の影響(産業のバスケットとして扱うため部門によっては詳細な製品項目がない場合がある)で、中間財が「どこからどこへ向かったのか」について具体的に想定できていないケースもあり、その部分での考察等を充実させているというのが現状である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
産業連関表のデータを中間取引の需要側、供給側に分けて行列を再構築した後クラスターを描くことができるが、分析結果について前述の通り結果の解釈に時間を要しているため。また、2国間における産業間ネットワークの視覚化に際し、パスが多すぎるためその調整にも予定以上に時間がかかっている。またコロナウイルス蔓延の影響を受けて、十分な議論を学会等で行えていないことは非常に大きな一因としてある。
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今後の研究の推進方策 |
これまでに進めてきた国際産業連関表における需要面、供給面としての産業分割を基に、クラスター分析を進めていく。あるいは、台湾と日本の産業間取引に焦点を当てて進めているが、産業部門数を増やして特徴をはっきりさせることを目的として、対象国を増やしていくことも考慮してみる。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初予定していた研究発表会での意見交換を中心に、研究打ち合わせの機会が大幅に減り、論文校正スケジュール等に影響があったため。
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