研究課題
平成30年度は、課題 2 である「問題解決仕組みを構築するためのシステム・ハーモナイゼイションの分析」に該当するサブ課題 C を継続的に進めてきた。すなわち、各国における問題解決の仕組みとその有効性・限界について、IMBeR-ADApT(Assessment based on Description and responses and Appraisal for a Typology)フレームワーク 分析枠組みを用い、海域関連の問題点、システム・仕組み(自然、社会、管理)、要因(自然的、人為的)、変化・インパクト、変化への対応、対応の目標、対応の効果等に関する事例分析を継続して行った。平成30年度では主な事例地として、日本では静岡県伊豆半島、沖縄県石垣島など、中国では遼寧省大連市、上海市、浙江省舟山市など、韓国では慶尚南道釜山広域市、済州島、台湾では屏東県の東港地域などを取上げた。このようなフィールドワーク及び事例分析を通して、北東アジアでは、制度という土台の上で、それぞれの特徴のある管理組織が多岐にわたる管理手段を用いながら海洋問題への社会的対等を行っていることが判った。また、北東アジア地域における海洋・沿岸域利用調整システムの実態を把握できるとともに、地球規模の海洋変化への有効な社会的対応策を提示するための準備が整った。
2: おおむね順調に進展している
平成30年度の研究計画は、フィールドワークやアンケート調査等による事例分析が中心となっており、多くの事例地域については、これまでの研究対象地域として多く通っている地域であることにより協力が得られやすかったため、基本的に予定通り実施することができた。
最終年度は、これまでの分析を踏まえて、課題2の問題解決仕組みを構築するためのシステム・ハーモナイゼイションの分析に該当するサブ課題 D、及び課題3の持続可能な利用を実現するための具体策の提示に該当するサブ課題 E 及びサブ課題Fの三つを中心に研究を進める。比較分析を通じて、海域に関する問題 解決システムの共通点・相違点を抽出するとともに、その他の国との比較分析を重ねることを通じて、北東アジア海域の持続可能な利用のためのプロセスを析出し、それらを踏まえて地球規模の海洋変化に対する社会的対応策のあり方について提示する。
フィールド調査現地での諸事情により、一部の地域で移動手段に変化が生じたためである。次年度は、当該使用額も併せて実施する予定である。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うちオープンアクセス 1件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 3件、 招待講演 1件)
3rd World Small-Scale Fisheries Congress Proceedings
巻: 2018 ページ: 260、267
日本沿岸域学会2018年研究討論会講演概要集(CD)
巻: No.31 ページ: CD