研究実績の概要 |
世界の漁獲量(海面及び内水面)の約半分を占める小規模漁業は、世界の約 3,000万人の漁業者の 90%以上を雇用している上、加工や流通などの関連業種を含めるとさらに8,400万人を支援している。また、小規模漁業者及び関連労働者の95%以上が開発途上国に住んでいるため、水辺で生活する人々の経済を支え、社会的・文化的な価値に貢献していると考えられる。しかし、これらの小規模漁業コミュニティーの多くは不安定で脆弱な生活および労働条件にある。地球規模の海洋変化時代においては、なおさら厳しい状況である。 2020年度は、2019年度の研究成果を踏まえながら、引き続きこのような小規模漁業に焦点を当てた研究を実施した。具体的には、産業構造的変化、地球規模の海洋変化、改正漁業法による政策変化等、大変化の時代を生きる日本の家族経営を中心とする小規模漁業について、そのガバナンス体系、小規模漁業が抱える今日的な課題を解明するとともに、世界の小規模漁業の持続可能な発展及びSDGsの実現における日本小規模漁業の役割と意義について分析した。そして、日本と韓国、及び日本とカナダにおけるの比較分析も実施した。
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