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2017 年度 実施状況報告書

環境正義が健康格差に与える影響―社会調査を用いた分析―

研究課題

研究課題/領域番号 17K12864
研究機関立命館大学

研究代表者

安本 晋也  立命館大学, 文学部, 助教 (60725563)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2019-03-31
キーワード環境正義 / 健康格差 / GIS / 社会調査 / 貧困
研究実績の概要

本年度は下記の2点を中心に研究を実施した。
1. 横浜市における環境正義の分析: 日本においては環境正義の質的研究の蓄積は多いものの、量的研究は数少なく、本研究の対象地である横浜市において公園と日照における環境の不正義が存在するのかどうかをGISを用いて計量的に分析した。結果、横浜市には富裕層割合が高い小地域ほど、優れた公園への近接性を持つことがわかった。同様に横浜市の3次元の建物形状データを用いて日照の享受をめぐる環境正義の研究を行った。この分析では用いる指標によって結果が異なり、追加的な解析を予定している。またこの分析により、公園の近接性と日照の享受それぞれにおいて、貧困と環境アメニティの剥奪が同時に起こっている地域がどこであるかも判別できた。この結果を次に行うアンケート調査の対象地域の選定における参考とする。
2. アンケート調査の設計: 2年目に実施を予定しているアンケート調査の設計における論点を整理した。横浜市は広く、市の中心地から郊外にかけて地理的な特徴も大きく異なるため、地域ごとの違いの把握に努め、気にかかる点がある地域は一部、現地調査を行った。また、過去に他地域を対象に実施された類似するアンケート調査が存在し、それと整合性のある設問を設けて比較可能性をもたせることの重要性についても検討した。研究協力者の中には英国の研究者もいるため、調査用紙の試案を英訳し配布するなどして議論を進めた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

GISを用いた分析を行うことで、対象地域に環境の不正義が存在することを把握し、それを基点に研究全体の方向性が定まった。今後アンケート調査設計の完了を行う必要があるが、そのための情報収集や検討も終えている。

今後の研究の推進方策

アンケート調査の設計を完了し、実施へと進む予定である。また、GISによる環境正義分析およびアンケート調査結果を元にした研究発表や論文投稿などを検討する。

次年度使用額が生じた理由

次年度にアンケート調査を予定しており、そのための調査会社への依頼に多額の費用がかかるため、本年度の未使用額と次年度の経費を合わせることで費用の確保を行った

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公開日: 2018-12-17  

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