研究課題/領域番号 |
17K12874
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研究機関 | 東京未来大学 |
研究代表者 |
西村 実穂 東京未来大学, こども心理学部, 講師 (50611381)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 事業所内保育所 / 院内保育所 / 防災 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、事業所内保育所の防災対策における課題を明らかにすることである。 本年度は、研究1:事業所内保育所における防災に関する課題の類型化および、研究2:被災経験のある事業所内保育所における事例調査を実施した。 研究1「事業所内保育所における防災に関する課題の類型化」については、事業所内保育所のなかでも半数以上を占める院内保育所を調査対象とし、全国400ヶ所の院内保育所を対象とした質問紙調査を行った。400ヶ所のうち187ヶ所からの回答を得、分析を行った。約9割の院内保育所では認可保育所に準じた頻度で避難訓練を実施していた。しかし、夜間や休日の保育をしていること、低年齢児が多いことについて不安を感じている保育者が多くいた。事業所内保育所における防災面の課題として、災害発生時の対応の不明確さ、低年齢児が多いことや夜間・休日保育時の対応の難しさがあることが確かめられた。 研究2「被災経験のある事業所内保育所における事例調査」については災害発生時に事業所内保育所で生じる問題の整理を行うことを目的として、2016年に発生した熊本地震、2014年に発生した広島市豪雨土砂災害において、被災した地域に設置されている院内保育所計3園を対象として、災害発生時の状況を尋ねるヒアリング調査を実施した。その結果、設置主体の事業所である病院が被災していた場合であっても、災害発生直後から開所していたこと、休園となった近隣の保育所の子どもを受け入れていたことが確かめられた。災害発生時に開所するかどうかについては事前の定めはなく、災害が発生してから設置者と保育所の間で相談をしながら対応が決定されていた。また、通常以上の人数の子どもを受け入れていた園では、職員が休みなく出勤しており、継続的に保育を行うための人員確保が問題となっていた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究の中断をしたが、前年度までに得られた資料の分析を行ったり、ヒアリング調査を予定通り実施することができたため。
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今後の研究の推進方策 |
平成30年度においては、研究代表者の産休・育休取得により研究が中断している。H31年度以降の研究再開後には、計画通り研究を実施する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究代表者の産休・育休取得により、年度途中で研究が中断したため。
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