研究課題/領域番号 |
17K12875
|
研究機関 | 兵庫医療大学 |
研究代表者 |
平上 尚吾 兵庫医療大学, リハビリテーション学部, 講師 (60637643)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
|
キーワード | 脳卒中 / 身体活動量 / 臨床的意義 / 作業療法 |
研究実績の概要 |
本研究では脳卒中入院患者を対象として、ウェアラブルの身体活動量計を用い、患者の身体活動量を入院時と自宅退院後の在宅生活で測定し、さらに患者の主観評価を主な外的基準として、脳卒中患者の臨床的意義のある身体活動量の変化を検討することを目的としている。 平成29年度の研究実施計画では、①本研究について倫理審査委員会の審査を受け承認を得ること、②測定に必要な物品を用意すること、③研究対象者をリクルートしプレテストを含めたデータ測定を開始することを予定していた。 ①については、兵庫医療大学の倫理審査委員会で審査を受け平成29年8月に承認を得た。また平成29年11月にデータ測定を実施する施設から研究実施の承認を得た。 ②については、本研究実施に必須となる身体活動量計とその他評価機器を平成30年2月に用意した。 ③については、平成29年12月より、入院中の脳卒中患者および健常者数名に2種類の身体活動量を装着してもらい、その測定結果や身体活動量の装着に伴う不具合等を確認した。下衣の腰部に装着する機種では、装着による被験者への悪影響はなかった。しかし、脳卒中患者では、活動量(歩数)をカウント出来ないことがあり、この要因として歩行速度が遅いことが影響していることが示唆された。被験者の大腿に医療用テープで固定する機種では、活動量計の測定結果に不具合はなかったが、健常者において、5日間程度の装着で装着部分にかゆみなどの違和感が生じる者がいた。これらのプレテストにより、測定結果を解釈する際には研究対象者の歩行速度を考慮しなければならないこと、2種類の身体活動量計でデータを補完することの必要性が示された。また、研究対象者の身体への影響を最小限にするため、一機種では身体活動量計を固定するシールの定期交換の必要性が示され、今後の本計測に向けた基礎的データと注意点を得た。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成29年度の研究実施計画では、本研究実施の承認を平成29年7月頃までには得る予定にしていたが、データ測定を実施する施設での倫理審査委員会の開催が順延となり、その承認を得られたのが平成29年11月となった。また、測定に必要な機器を平成29年8月までには用意する計画であったが、プレテストにより当初考えていた身体活動量計に加え、新たな機種を用意する必要性が生じた。その機種は海外からの輸入が必要であったことから、最終的に測定に必要な機器が揃ったのが平成30年2月となった。以上により、平成29年度に予定していたプレテストと研究対象者のリクルート、およびデータ測定に遅れが生じた。
|
今後の研究の推進方策 |
現在、研究対象者をリクルートしている段階である。今後、データ測定を実施する施設の研究協力者と入院患者情報について適宜情報交換し、研究対象者を着実に増やし、データを蓄積していく予定である。またデータ測定を実施する上で、研究対象者に対する身体活動量計の装着による悪影響等、研究遂行により問題が表面化する可能性がある。この場合、適宜対応策を講じ、確実にデータが測定できるようにいち早く研究方法を定めていく予定である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
(理由)物品費については、データ解析に用いるパソコンやその周辺機器等の必要性が生じなかったため、未使用額が生じた。旅費については、本研究に限った研究の打ち合わせや学会への参加が生じなかったため、未使用額が生じた。人件費と謝金については、データの本計測が開始されていないため、未使用額が生じた。
(使用計画)物品費については、データ測定の過程で必要性が生じた機器や消耗品、またデータ解析で必要となるパソコンやその周辺機器に充当する予定である。旅費については、学会発表や研究打ち合わせに関わる旅費として使用する予定である。人件費および謝金については、データ測定を実施する施設の研究協力者に対する謝金として使用する予定である。
|