研究課題/領域番号 |
17K12875
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研究機関 | 兵庫医療大学 |
研究代表者 |
平上 尚吾 兵庫医療大学, リハビリテーション学部, 講師 (60637643)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 脳卒中 / 身体活動量 / 臨床的意義 / 作業療法 |
研究実績の概要 |
本研究では脳卒中によって入院した患者を対象として、ウェアラブルの身体活動量計を用い、患者の身体活動量を入院時と自宅退院後の在宅生活で測定し、さらに患者の主観評価を主な外的基準として、脳卒中患者の臨床的意義のある身体活動量の変化を検討することを目的としている。 平成30年度は、平成29年度に引き続き、研究対象者をリクルートしデータ測定を実施することを目的とし、数名の研究対象者のデータ収集を実施した。得られたデータより、身体活動量の指標を歩数、立位時間、および座位あるいは臥床している時間とした場合、脳卒中患者は入院中、患者によって差異はあるものの、活動量が全般的に低いことが明らかとなった。特に活動量が低い患者では、日によっては歩数は100歩ほどで一日の23時間ほどは座っているか臥床している状態であることが明らかとなった。退院時にはそれら活動量は依然として低いものの向上し、その変化に対し患者は意義あるものであったという自己評価をしていた。また、退院後の在宅生活でのデータを測定できた女性患者では、歩数は退院時よりも低下した一方で、立位時間が数時間向上する結果も得られており、家事等の家庭内役割が活動量に影響を与えた可能性が示唆された。 以上のように、データの蓄積段階であるが、脳卒中患者の身体活動量およびその変化量は決して高いものではないが、患者にとってはその変化に意義を感じている可能性、および役割等の生活状況に応じて活動量は変化する可能性があることが示唆され、脳卒中患者の臨床的意義のある身体活動量を検討していく上で意義がある結果が得られていると考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成30年度にリクルートできた研究対象者は数名に留まった。この理由は、データ測定を実施する施設において、本研究対象者の基準に該当する患者が少なかったことが大きな要因であると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
データ測定を実施する施設の研究協力者と入院患者情報について適宜情報交換し、研究対象者を着実に増やしデータを蓄積していく予定である。また、データ測定を実施する施設を増やすことも予定している。
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次年度使用額が生じた理由 |
(理由)物品費については、データ解析に用いるパソコンやその周辺機器等の必要性が生じなかったため、未使用額が生じた。旅費については、本研究に限った研究の打ち合わせや学会への参加が生じなかったため、未使用額が生じた。 (使用計画)物品費については、データ測定の過程で必要性が生じた機器や消耗品、またデータ解析で必要となるパソコンやその周辺機器に充当する予定である。旅費については、研究打ち合わせや学会発表等に関わる旅費として使用する予定である。
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