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2021 年度 実施状況報告書

ALS者における新しい患者立脚型コミュニケーション支援アプリの開発

研究課題

研究課題/領域番号 17K12881
研究機関北里大学

研究代表者

高橋 香代子  北里大学, 医療衛生学部, 教授 (70572155)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2023-03-31
キーワードコミュニケーション支援 / 意思伝達装置 / 筋萎縮性側索硬化症 / 患者立脚型
研究実績の概要

【研究の目的】
重度障害を呈する筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者のためのコミュニケーション機器には様々な種類があるが,試用する段階で本人・家族から使いにくさを指摘され,導入に至らない例も多い.その理由としては,コミュニケーション機器の有用性の評価が,入力の正答率や,入力のスムーズさ(入力所要時間)など,開発者の視点のみに限られており,患者や家族の希望(ニーズ)に合っていないためと考えられる.つまり,現存しているコミュニケーション機器やソフトは,開発者側からみて実用性が高いが,患者および家族からは実用性が低い可能性が否めない.したがって,より実用性の高いコミュニケーション機器を開発するためには,患者や家族が感じているコミュニケーション支援に対する希望(ニーズ)を明らかにし,それらを反映させた機器を新たに開発する必要性がある.
本研究の目的は,重度障害者の意見を反映した「患者立脚型コミュニケーション支援アプリ」の開発である.具体的には,以下の3点をプロジェクトとして挙げている. 1) ALS患者と家族が関わるコミュニケーション支援に関するニーズの調査と,それらを反映した新たな「患者立脚型コミュニケーション支援アプリ」の開発,2) 患者および家族を対象とした,新たな「患者立脚型コミュニケーション支援アプリ」の臨床的有用性の検討,3) 進行によるニーズの経時的変化に伴ったアプリの柔軟性と有用性の検討(縦断研究).
【研究実績の概要】
研究実績としては,まず1)のALS患者と家族のコミュニケーション支援に関するニーズを踏まえたソフト開発については,プロトタイプが完成しており,健常者を対象とした有用性評価は既に終えている.現在は,2) 患者および家族を対象とした,新たな「患者立脚型コミュニケーション支援アプリ」の臨床的有用性の検討として,複数名の患者の試用データを収集しており,今年度内にデータ収集および解析を終了予定である.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

・健常者に対する予備研究が終了しているため.
・ALS者でのアプリの試用データについては,研究実施施設の閉院やコロナ禍での入院患者の激減など難渋していたが,新たに研究実施施設として依頼した病院においてすでに数名の試用データが収集できているため.

今後の研究の推進方策

・試用データの蓄積:「患者立脚型コミュニケーション支援アプリ」の試用データを7月末まで収集する.
・結果のまとめ:健常者およびALS者のデータを解析し,論文としてまとめる.
・研究計画の変更:経時的変化に伴ったアプリの柔軟性と有用性の検討(横断研究および縦断研究)を実施予定であったが,数名の試用データによりアプリの修正が必要なことが示唆されたため,現状のアプリで縦断研究を実施することの意義が高いとはいえない.そのため,本研究においては横断研究に留めるこことする.

次年度使用額が生じた理由

2021年に予定していた,有効性評価のためのアプリの修正費用,貸出用の機器の購入については,予定通りに実施しているがコロナ禍によりALS者を対象としたアプリの有効性評価に遅延が生じている.そのため,研究実施期間の延長を申請しており,当初の支出と差が生じている.2022年度には,人件費と研究結果発表のための経費(英文校正費)などが見込まれる.

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公開日: 2022-12-28  

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