ワインの緩衝能に寄与する成分の解明と官能評価による余韻の数値化を試みた。緩衝能は有機酸が主な寄与成分であり,緩衝能の強度と総有機酸量に相関が得られた。また,中和反応時間やワインの粘度の影響についても検討を行った。官能評価では,酸味の持続時間とpHおよび滴定酸度との相関はあまり高くはなかった。一方,緩衝能との関係については,緩衝能が最大値になる際のpHが低いほど酸味の持続時間が長くなる可能性が示唆された。官能評価については,パネリストによる個人差が大きく,再度個人差を考慮した解析を行う必要性が示された。
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