研究課題/領域番号 |
17K12891
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研究機関 | 名古屋女子大学 |
研究代表者 |
辻 美智子 名古屋女子大学, 家政学部, 講師 (50706819)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 大豆粉 / アマランサス粉 / パン / レオロジー特性 |
研究実績の概要 |
本研究は、大豆粉パンの膨化と食感を改良するために、大豆粉に雑穀粉を併用し、そのレオロジー特性及び機能性成分の挙動を明らかにすることを目指している。 2018年度は、大豆粉の10%、20%、30%、40%、50%をアマランサス粉に置換してパンを調製し、各配合割合におけるパンの特性を検討した。また、大豆粉とアマランサス粉の粉の種類によって最適な発酵時間が異なるため、発酵時間は30分、60分と設定して実施した。パンの特性は、外観、比容積、色度、破断特性、テクスチャー特性を評価した。得られたパンの特性から、配合割合の最適条件を明らかにすることを試みた。 その結果、発酵時間30分、60分ともに(1)パンの比容積はアマランサス粉の割合が多くなるほど増大傾向を示すこと、(2)パン上面の色度はアマランサス粉の割合が多くなるほど黄色度が低くなること、(3)破断特性の25%圧縮時応力、テクスチャー特性の硬さにおいては、アマランサス粉の割合が多くなるほど有意に減少すること、などの知見を見出した。また、発酵時間30分と60分におけるパンの特性の違いについては、各評価項目での差はみられなかったが、パン内相の気泡は発酵時間30分よりも60分の方が大きい傾向であった。 大豆粉にアマランサス粉を置換することにより、パンは膨化する傾向がみられ、テクスチャーは軟らかくなることが明らかとなった。しかし、配合割合の最適条件を決めるには、アマランサス粉の置換割合を50%以上も設定して追加検討を行う必要があると考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
大豆粉の一部をアマランサス粉に置換して調製したパンの特性については、新たな知見を得ることができたと考えている。しかし、配合割合の最適条件を決定するには至っていない。また、当初予定をしていたパン生地の特性について検討できていないことから「やや遅れている」と評価した。
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今後の研究の推進方策 |
2019年度は本研究のまとめの年となるが、大豆粉とアマランサス粉の最適な配合割合を決定するに至っていない。しかしながら、2018年度に得られた結果をもとに、アマランサス粉の置換割合をさらに広く設定し、追加して検討を行いたいと考えている。さらに、2018年度に予定をしていたパンの生地特性、2019年度に予定しているパンの嗜好性についても並行して評価を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
(次年度使用が生じた理由) 大豆粉とアマランサス粉の配合割合を検討することに時間がかかってしまったため、当初の予定通りに研究を進めることができず、2018年度に購入を予定していた機器を次年度に見送ることとした。また、研究用試料、試薬についてはストックを有しているものがあったため、2018年度はストックしているものから使用し、新たに購入する試料、試薬の購入量が当初より減少した。そのため、次年度使用が生じてしまった。 (使用計画) 2018年度の研究で予定していたものの着手できなかった研究の機器を購入する予定である。また、研究用試料、試薬のストックはほぼ使い切ったため、新規に購入する予定である。
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