研究課題/領域番号 |
17K12891
|
研究機関 | 名古屋女子大学 |
研究代表者 |
辻 美智子 名古屋女子大学, 健康科学部, 講師 (50706819)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
|
キーワード | 大豆粉 / 雑穀粉 / パン / レオロジー特性 |
研究実績の概要 |
大豆粉パンの膨化と食感を改良するために、大豆粉に雑穀粉を併用し、そのレオロジー特性及び機能性成分の挙動を明らかにすることを目的としている。2020年度は、2019年度に新たに選定した大豆粉を主原料とし、その一部をアマランサス粉に置換して製パン性を検討した。 大豆粉の10%、20%、30%、40%、50%をアマランサス粉に置換したパンを調製し、加水量は大豆粉の最適加水量を用いた。パンの特性は、外観、色度、比容積、破断特性、テクスチャー特性について評価した。 その結果、パンの上面はアマランサス粉の置換割合が多くなるほどケービングがみられた。また、断面はきめが粗く、気泡の大きさが不均一になる傾向となった。パン上面の色度は、アマランサス粉の割合が多くなるにつれて黄色度が有意に低下した。パンの比容積ではアマランサス粉の置換による影響はみられなかった。破断特性では、アマランサス粉の置換割合が多くなるほど、破断ひずみは有意に増加し、初期弾性率及び25%圧縮時応力は有意に減少した。テクスチャー特性値のかたさにおいても、アマランサス粉の置換割合と負の関連がみられた。 大豆粉にアマランサス粉を置換することにより、パンの膨化は認められなかったが、パンのかたさは軟らかくなることが明らかとなった。今後は、パンの加水量においてアマランサス粉の最適加水量を考慮し、アマランサス粉の置換割合を50%以上に設定して、追加検討を行う必要があると考えている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2019年度に新たに選定した大豆粉を主原料とし、その一部をアマランサス粉に置換して製パン性を検討した。しかし、新型コロナウイルス感染症の影響により、研究実施計画に変更が生じたため、「やや遅れている」と評価した。
|
今後の研究の推進方策 |
今後は、パンの加水量においてアマランサス粉の最適加水量を考慮し、アマランサス粉の置換割合を50%以上に設定して、追加検討を行う予定である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
(次年度使用が生じた理由) 2019年度に新たに選定した大豆粉を主原料とし、その一部をアマランサス粉に置換して製パン性を検討したが、これらの実験項目は2017~2019年度の実験項目と重複するため、既存の試薬、機器を利用して実施することができ、当初予定していた機器の購入を控えた。また、新型コロナウイルス感染症の影響により、研究実施計画を変更する必要があり、次年度使用が生じた。 (使用計画) パンの機能性評価に必要な試薬、器具を購入し、研究成果をまとめるために論文の英文校正にかかる費用、印刷費等に使用する予定である。
|