研究実績の概要:600~800文字(673文字) 大豆粉パンの膨化と食感を改良するために、大豆粉に雑穀粉を併用し、そのレオロジー特性及び機能性成分の挙動を明らかにすることを目的としている。2022年度は、大豆粉を主原料としたパンについて、アマランサス粉の置換割合を0~100%に設定したパンの保存性について検討を行った。また、機能性評価ではイソフラボン組成について発酵時間による変動を分析した。 大豆粉の0%、25%、50%、75%、100%をアマランサス粉に置換したパンを調製し、4℃で0~3日間保存したパンについて破断特性を測定し、保存性を評価した。また、保存3日目のパンについてはX線回折装置を用いて結晶性を調べ、老化を評価した。大豆粉パンの機能性評価では、大豆粉を主原料としたパン(アマランサス粉置換割合0%)について発酵時間によるイソフラボン組成の変動について分析した。 その結果、パンの保存性は、アマランサス粉の置換割合が多くなるほど、保存日数に伴い硬くなり、特にアマランサス粉を75%以上置換することで顕著に硬くなった。一方、アマランサス粉の置換割合が0~50%のパンでは保存3日目においても軟らかさが保持された。また、保存3日目のX線回折結果では、アマランサス粉の置換割合が多くなることにより、結晶性の回復に伴うピークが17°付近に出現がみられたが、アマランサス粉の置換割合が0~50%ではピークは現れなかった。大豆粉を主原料としたパンのイソフラボン組成では、配糖体のダイジン及びゲニスチン量は発酵1時間まで微増し、その後は減少したが、各アグリコン量は発酵時間とともに増加する傾向であった。
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