研究課題
若手研究(B)
過去の疫学調査から牛乳には大腸がんの発症を予防する可能性が示されている。本研究では、牛乳中に含まれる細胞外小胞(EVs)が大腸がん細胞株の増殖活性や腫瘍形成に及ぼす影響を検証した。その結果、EVsは大腸がん細胞株の細胞周期の進行を阻害することで増殖活性を抑制することが示唆された。また、大腸がんモデルマウスにEVsを3か月間投与した結果、非投与群と比較して投与群で腫瘍数が減少する傾向を示した。
食品機能学
本研究では、牛乳による大腸がんの発症予防効果に科学的根拠をともなわせるために牛乳中のEVsに着目し、研究を進めてきた。培養細胞や実験動物を用いた検証結果から、牛乳EVsが大腸がんの発症予防効果の一端を担っている可能性が示された。本研究結果は消費者の生活に広く浸透している食品である牛乳に対して大腸がん予防という新たな可能性を提示するものである。