消化管に発現しているNa吸収輸送体であるNHE3は、細胞内pHが中性付近では不活化状態であり、酸性化により活性化される。NHE3はゆっくりと活性化しており、このことはNHE3活性化には二量体形成のような立体構造変化が関与している可能性を示している。また、NHE3はいくつかの異なる輸送体とカップルし、複数の輸送モードを持つと考えられている。本研究ではNHE3特異的阻害剤として、対称構造を有しNHE3との結合部位が2箇所あることが想定されているテナパノールを用いて活性化機序の検討を行った。テナパノールは不可逆的にNHE3に結合する可能性と、NHE3の異なる輸送モードを認識することが示唆された。
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