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2017 年度 実施状況報告書

タンパク質を中心とした栄養バランスと質の違いによる胆汁酸-腸内細菌相互作用解明

研究課題

研究課題/領域番号 17K12911
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

横山 葉子  慶應義塾大学, 政策・メディア研究科(藤沢), 特任助教 (10617244)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2019-03-31
キーワードタンパク質 / 栄養バランス / 糖尿病 / 胆汁酸 / 腸内細菌
研究実績の概要

食は健康に直結する環境要因として疑いないが、個々の栄養素をどのバランスで摂取すべきかという食事パターンレベルのエビデンスは不足している。本研究では、栄養素のバランスを変化させた場合の1)ヒトでの代謝疾患への影響をメタアナリシスにより解析し、2)実験動物でのメカニズム解明とを組み合わせた融合研究を目的とする。
本年度は、ヒトを対象にした栄養バランスを変更した介入研究を参入・除外基準に従って抽出し、主要アウトカムを血中グルコース濃度とし、データを抽出した。データはRandom Effect Model を用いて統合し、平均値の差を算出した。加えてサブグループ解析、出版バイアスの検討も行った。この結果、タンパク質の量の違いと比較した解析では、先行研究で指摘されている血糖コントロール改善効果は確認されなかった。次に、実験動物に蛋白質の量と種類を調整した餌を与える介入試験を実施した。介入後、1 週間ごとに体重測定を行い、経口糖負荷試験および腹腔内インスリン投与試験を実施した。投与後は解剖し、血漿および臓器のサンプルを採取した。この結果、タンパク質の量および質の違いにより体重・血糖コントロールに差異が確認された。メカニズム解明のため、肝臓・骨格筋・白色脂肪組織・褐色脂肪組織・膵臓のエネルギー・糖・脂質代謝関連のmRNA 発現をqPCRにより検討し、タンパク質の質や量の違いによりエネルギー代謝関連遺伝子に顕著な変動が見られることが確認された。

現在までの達成度
現在までの達成度

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究では計画通りタンパク質を中心とした栄養バランスの違いによるヒトの臨床研究を対象にしたメタアナリシスの実施、動物実験を実施し、予備検討との再現性も確認できた。また、メカニズム解明のためターゲット臓器の特定ができた。

今後の研究の推進方策

メカニズム解明では、予備検討で差が示唆され、かつ論理的にも関与が予測されるアミノ酸―胆汁酸・腸内細菌の相互作用に焦点をおく融合研究を実施し、リアルワールドの食選択に直結するエビデンスを構築することを目的とする。今後は、糖・脂質代謝やエネルギー代謝を制御するシグナル分子でもある胆汁酸の組成との関連を検討するため、肝臓と糞中の胆汁酸組成を測定する。胆汁酸組成の分析により一次胆汁酸と二次胆汁酸の割合を明らかにできる。二次胆汁酸は腸内でアミノ酸の一種であるグリシンやタウリンと抱合することからも、胆汁酸とアミノ酸との関連が予測される。さらに、腸内細菌分析および代謝産物機能解析のため、CE-TOF/MS を用いたメタボローム分析を実施し、以上のオミックスデータを統合し、胆汁酸・腸内細菌の相互作用を解析する。

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公開日: 2018-12-17  

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