慢性腎臓病患者でみられる高リン血症は、心血管疾患等の重篤な合併症の発症に関わる因子であることから、食事由来のリン摂取量を管理することが重要となる。しかしながらリンは食品中でタンパク質と結合して存在しているため、リンのみを制限することは容易ではない。そこで本研究では、植物性並びに動物性食品に含まれるリンの吸収率の違いに着目した。被験者に植物性或いは動物性由来のリンが多い食事を提供し、血中リン濃度の変化を調べたところ、植物性由来のリンが多い食事を摂取した群で血中リン濃度の上昇が穏やかであった。またこの効果には、植物性食品に多く含まれる食物繊維が関わっていることが示唆された。
|