研究課題/領域番号 |
17K12926
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研究機関 | 帯広大谷短期大学 |
研究代表者 |
佐々木 将太 帯広大谷短期大学, その他部局等, 助教 (00725137)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 寒冷環境 / 栄養補給 / 体温 / 冬季スポーツ |
研究実績の概要 |
近年,スポーツ実施者に対する栄養サポートが盛んに行われるようになってきたが,冬季スポーツに特化した栄養サポート,補給法に関する研究例は少ない現状にある.寒冷環境における活動の課題として体温低下が挙げられる.体温が低下した状態では,スポーツ活動前に行われる,体温 (筋温) 上昇を目的とするウォーミングアップの効果を十分に得られない可能性がある.そこで,冬季スポーツにおけるウォーミングアップ前の体温維持を目標とした栄養補給に着目し,平成29年度は,寒冷曝露前に高糖質食または高脂質食を摂取したとき,どちらの軽食が体温維持に有効性であるかについて検証し,栄養サポートへの応用を目指すことを研究の目的とした. 試験食の条件は,高糖質食 [PFC比 (%) =11.0:3.6:84.4] および高脂質食 [PFC比 (%) =11.0:43.4:45.7] とし,タンパク質量は同等とした.試験の流れは,1) 試験室来室および室温環境で安静,2) 試験食を摂取,3) 室温環境で安静(1時間),4) 寒冷 (氷点下) 曝露 (30分) とした.測定項目は,鼓膜温および皮膚温,主観的体温感覚(VAS法),心拍数およびRR間隔 (自律神経測定) とした. 当初,安静時代謝の測定を予定していたが,寒冷環境下において正確なデータ収集が困難である可能性が挙げられたため,新しい評価項目として,心拍およびRR間隔を採用し測定を行った. 平成29年度秋に被験者を募集し,9名が参加を希望した.平成30年1-2月に参加を希望した被験者を対象として,上記測定を実施し完了した. 現在,得られたデータを評価・解析中である.先行研究における寒冷環境は0-10度程度であるが,本研究は氷点下環境下で実施した新しい知見であると言える.得られたデータは,現場に応用できるよう,適切に処理,解析し,研究を継続していく.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画では,安静時代謝測定を実施し,常温環境から寒冷環境曝露時のエネルギー代謝の変化,そして,試験食摂取の影響を検討する予定であった.しかしながら,測定機器が寒冷環境に適応できるかどうか,正確なデータを得られるかを再考し,心拍および自律神経の測定でも,目的とする課題の評価ができると判断し,変更した.測定項目を変更したが,実験遂行に支障なく順調に進められている. 現在までに,得られたデータの解析が完了していないが,早期に解析を終え,広く発表できるよう準備を進める.さらに,得られた知見は,平成30年度の測定に反映する. 研究進度に関して,被験者の募集に時間を要した部分もあったが,募集を依頼した研究機関および,測定を実施した施設の協力があり,年度末までに測定を終了することができた.また,今回実験に参加した被験者から,次年度の実験への参加協力も得ることができた. 研究は目標通りに遂行できており,達成度区分として(2)と評価した.
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今後の研究の推進方策 |
測定項目として,心拍および自律神経を新たに採用しため,解析ソフトを導入し分析及び評価する. 平成30年度は研究計画通り,試験食として温飲料を用い,摂取する糖質量に着目し実験を遂行する予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
参加を予定していた学会への参加を取りやめたため,旅費の支出がなかった.さらに,実験遂行にあたり,測定補助を依頼する予定であったが,申請者のみで測定を行い終了したため,人件費・謝金の一部が未使用となった. したがって,平成29年度に使用しなかった予算は,平成30年度,1) 自律神経解析ソフト導入,2) 論文投稿関連費用 (校正,投稿料および別刷印刷購入等),に使用する.
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