研究課題
衛星電波受信実験の実践を中学校・高校にて更に行なった。特にこれまで主に使っていた430 MHz帯ではなく、140 MHz帯のNOAA衛星での受信実験も行なった。140 MHz帯では自作できて手持ち可能な八木アンテナでは指向性が落ちる。しかし、実践後のアンケート調査によると、140 MHz帯でも430 MHz帯と同様に生徒は衛星の動きを実感できているようであった。衛星電波受信実験の実践とその効果測定についてまとめ、日本物理教育学会誌「物理教育」に査読有りの研究論文として投稿した(2020年4月5日に受理)。前年に進めたStars-AO衛星の観測研究立案科学教室については、TRANSACTIONS OF THE JAPAN SOCIETY FOR AERONAUTICAL AND SPACE SCIENCESへの論文にまとめ投稿した。現在査読はFinal Decisionの段階にある。中高教員向けに衛星電波受信実験の実施方法をまとめたWebサイトを作成・公開した。また、受信実験に使用できる衛星を調査するためのRaspberry piとソフトウェア受信機 (SDR)を利用した自動受信局を試作し、動作を確認する事ができた。これらについて、日本天文教育普及研究会中部支部会、International Symposium on Space Technology and Science、日本物理教育学会、日本理科教育学会、日本物理学会、日本天文学会で発表した。
2: おおむね順調に進展している
研究申請段階で目標にしていた内容(受信実験の教材化・実践・効果測定とその論文発表、教員向けWebサイトの公開、自動受信局の作成)について、全て(少なくとも最低限は)達成する事ができた。
教員向けWebサイトについては、更なる内容の充実を行う。特に中高教員に実際に本サイトの情報を元に実験を行なってもらった上で、そのフィードバックを受けて改良する。自動受信局も本格的に設置を行い、その結果から受信実験に適した衛星を上記Webサイトに掲載する体制を整える。可能であれば、特にソフトウェア無線機を使うことで、生徒が自宅でも安価に受信環境を構築し実験を行える教材を作成したい。新型コロナウィルス対応中の探究学習教材としてWebサイトでの公開を目指す。
超小型人工衛星の教育利用についての論文を2019年6月25日にTrans. of JSASSに投稿したが、2020年1月1日に査読がMinor revisonで戻ってきた。2020年1月12日に再投稿したものの、現在Final Divison で当初の期間内での受理が難しそうである。そこで論文出版費を次年度に使用する必要がある。
すべて 2020 2019 その他
すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (10件) 備考 (1件)
天文教育
巻: 31 ページ: 3-3
https://wwp.shizuoka.ac.jp/jushin-jikken