高等教育の質保証に向けて,教員の教育力向上の取り組みであるファカルティ・ディベロップメント(FD)が肝要であるが,実質的な教育改善につながる取り組みが少ないこと,専門家が少ないこと,FD の研究が少ないため FD の効果が不明瞭であることが問題点として挙げられる.そこで,本研究では FD における場所に依存しない Web の活用がこれらの問題を解決できると考え,オンラインにおけるアクティブラーニング型オンライン FD プログラムの開発及び評価を目的としている. 本年度は,独自に開発した意見集約プラットフォームを駆使したオンライン FD プログラムを実施した.具体的には,YouTube Live や Zoom を用いて講義を行い,意見集約を行う際は独自プラットフォームを活用して,講師と参加者,参加者同士のインタラクションを実現するアクティブラーニングを組み込んだプログラムを実施した.独自プラットフォームを用いることで,集合知を活用したテキストベースのインタラクションを伴う学習体験を実現することが可能となり,新たなオンラインにおける FD プログラムの可能性を提示できた. テーマは幅広く扱い,アクティブラーニングの基礎やアクティブラーニング技法に関する講座に加えて,授業実践を共有した上で良い点,改善点を検討する授業検討会などを行った.参加者からの評価は高く,オンラインにおけるアクティブラーニングを組み込んだ FD プログラムのモデルケースを作成できた.
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